「この子のためなんだ」と思っているのに反発されてしまう

頑張っているのに関係がうまくいかない。

 

先生や周りを参考にしてもどうにもならない。

そんな状態になっていたら大原則として覚えておいてください。

 

子どもに必要なのは正義ではなく愛なんです。

 

お子さんとお母さんの関係で、これが逆さまになってはいないですか?

逆さまになるとすれ違いが発生するんです。

 

「愛より正義の方が大事だ」という状態です。

「これが正しいんだ」という正義で子どもと接すると親子のすれ違いが起こるのです。

 

みんな一度は”正しいお母さん”になる

ほとんどの方がそうです。誰でも一度は「正しいお母さん」になろうとします。

「理想的な良いお母さんであろう」ということです。そのために勉強したりします。

 

でも本に書いていることや誰かの真似をしてもお子さんとはうまくいかないはずです。

子育てはオーダーメイドなんです。みんな個性が微妙に違いますから。

 

お子さんにジャストフィットした子育てをするにはお母さん自身が変わることです。

子どもを変えるのではなくお母さんが変わるんです。

 

そのためには”正しいお母さん”を卒業して”やさしいお母さん”になってみてください。

 

正しいお母さんは正義が一番です。

やさしいお母さんはその子の気持ち、つまり愛情を第一とします。

 

正しいお母さんになってないかチェック

あなたは正義を前面に押し出す正しいお母さんになってはいないでしょうか。

 

正しいお母さんは以下のような特徴があります。

・一般論や正論を言う。

・「周りからどう思われているか」が気になって行動できない

・ランク付け・グループ分け・派閥を気にする

・楽しさよりも確実な方がいい

・隙間のない仕事や作業をする

3つ以上当てはまると正しさや正義を重要視している傾向があります。

とはいえ心配しなくても大丈夫です。意識次第で変わっていけますから。

 

落ち込んだ子にこれをやってはいけない

リアルという漫画があります。

 

主人公は高橋久信(たかはしひさのぶ)という高校生です。

久信のお母さんが「正しいお母さん」です。

 

久信はある日交通事故に遭います。

久信はこの事故により下半身付随という障害を持つことになります。

 

久信は成績優秀で運動神経抜群、顔もイケメンで女子にもモテていました。

久信は人をランク付けする傾向が強く「俺はAランクの人間」と自負していました。

久信は「グループ分け」「派閥」もつくります。

久信の価値観は「勉強が出来るか「運動が出来るか」「家柄」「異性にモテる」など誰もが納得する評価基準。

「自分だけの夢や目標」といったことには興味がありません。

 

あくまで「他人からスゴイと思われたい」で生きています。

久信は集団内での地位を気にします。人を攻撃するのは自分の地位を高めるためです。

 

ただ久信は交通事故により歩けなくなり、今までの価値観が逆転していきます。

リハビリのため留年が決定的です。バスケはもう出来ません。

今までの仲間は自分から離れていきます。

 

母と息子のすれ違いが始まる

久信の母は「高校に復学しよう」ともちかけます。

でも久信は「復学したい」という気持ちを持ってないんです。

 

本人が挫折したとき「正しい行動」は拒否されることがあります。

つまり常識やみんなと同じは通用しなくなることを覚えておいてください。

具体的に言えば不登校やいじめに遭ったときです。

 

ここからすれ違いが始まります。

「ノブ」とよんでいるのが母です。

母親が正論や理屈で久信を説得しようとしているのが分かりますでしょうか。

間違ってはいないのですが、本人はまだ学校どころではなく、日々のリハビリ生活で精一杯の状況です。

 

久信にとって「正しい」とか「将来のために」どころではないんです。

 

「正しい」を意識すると気持ちがすれ違うのを見事に描写したシーンがあります。

以下をご覧ください。

「何もわかっちゃいねえくせに」と久信は心の中で思っていますね。

でも母は「正しいことを言っている」と思っています。すれ違いです。

 

そして久信は正論を前に言い返せないんです。

正論をたたみかけられて久信は感情を爆発させます。

久信の立場を考えれば「もうキレるしかなかった」とも言えます。

 

正しい理屈じゃないんです。

理屈よりも「本人はどうしたいか」という気持ちなんです。

 

念のためにですが正しいお母さんにに愛情がないわけでないんです。

久信も「死ね!もう来んな!」と言いましたが、同時に母が自分のために頑張ってくれていることも知っています。

 

 

母に愛情がないわけでなく、子どもが愛情を感じていないわけでもないんです。

つまり親子のすれ違いなんです。

 

落ち込んだ子どもにやってはいけないのは正しい行動をさせることです。

この場合「正しい行動なんてどうでもいい」と極端にまで考えて大丈夫です。

 

「この子はどうしたいのかな?」

 

これが全てです。落ち込んだ子どもに必要なのはこれのみです。

「正しい行動をさせる」と「本人のやりたいようにさせる」は微妙な差ですが受け取る相手は全く違った印象を受けます。

 

「この子はどうしたいのかな?」が正解です。ぜひ覚えておいてください。

 

”正しいお母さん”を卒業したい方へ

正しいお母さんは悪い人ではなくて”考え方を受け継いでいる”人なんです。

久信は周りや自分をランク付けする性格です。こうなったのは母親の影響です。

母親も学歴やステータスを気にするのです。

 

そして久信の母も小さい頃、親からランク付けの考えの影響を受けたはずです。

母自身も「正しくなければダメなんだ」と教え込まれたはずです。

考え方の癖は親子から受け継がれるのです。

 

ではランク付けの性格、つまり”正しいお母さん”であることは永遠に続くのでしょうか。

 

違います。

 

この「リアル」という物語の中でも久信や母は「正しい」から抜け出しました。

 

考え方の問題ですから、それは可能なんです。

 

方法の一つとして

そんなやさしいお母さんになるにはまずお母さんが自分自身を許すことが第一歩です。

 

物語では出てきませんが久信の母にも悲しい出来事があって、正しさを教え込まれた過去があるのでしょう。

やさしいお母さんになるためには、そんな正しくなれなかった自分を許すことです。

 

「私は私でいいんだ」「頑張らなくてもいいじゃない」

と自分で思うことです。

 

親子のすれ違いは解決出来ます。

まずは自分を許すことです。それでいいんです。

 

子どもを変えたいなら自分が変わることです。

それが正しいではなくやさしいお母さんになることです。

 

「そんなこと言われても急には変われない・・・」となるでしょう。

 

大丈夫です。それも練習次第ですから。

私はやさしいお母さんになりたい人を全力でバックアップいたします。

 

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