朝起きるのが辛いのはみな同じ。「学校に遅れるから」という理由でつい起こしてしまう家庭は多いです。

私は特別支援学校で先生をしていました。学校と家庭では子どもたちは見せる姿が違います。

ぶっちゃけ中には「全然違うやんけ!」という子もいたり。

 

そんな中から今回は「特別支援学級に通う子が朝起きてこないときどうすべきか」の話です。

 

障害ある子の自立ってなに?

おざなりになりがちですが大事な話。そもそもの話として「自立とは何か?」を考えてみましょう。

学校の先生の多くは自立とは「立っている状態」を自立と考えるようです。よってなんとかして「立っている状態にしよう」とさせます。大人による補助や指導を沢山して「立たせている状態」とも言えるでしょう。

 

「立たせている状態を続けていればそのうち立っているだろう」と考えているようです。

ですが、多くの場合はそうはなりません。「立たせてくれる大人」がいなくなると元に戻ります。

だから心の育て方です。「立とうする意志を育てる」ということです。そしてその子が本当に苦手で克服出来ないことは手伝う。それは障害の有無関係ないことです。

 

障害ある子にとって「自分で立とうとしている状態」をさすと私は考えています。誰でも苦手分野を完全に克服することは出来ません。それは私も同様。小さい頃苦手だったことは今でも苦手です。

 

自立とは「立とうとする意志を育てること」

そう考えると「出来ないことだけを手伝おう」という行動に移っていきます。

 

では朝はどうしよう?

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自立とは「立とうとする意志を育てることである」と話しました。

その観点から特別支援学級に通う子どもについて考えていきます。

 

「ウチの子は親が起こさないと起きてこないんです」

という家庭は多いようです。

私自身、特別支援学校にいてそのような話を聞いてきました。

起きれないのは多くは意志が原因です。「誰かが起こしてくれる」「学校に行くのが嫌だ」そういったものが起きる意志を阻んでいます。

 

というのも学校では多くの場合、子どもたちは家庭とは違う姿をみせます。宿泊学習や修学旅行では子どもたちは朝、勝手に起きることが多いものです。「家では親に起こされているのに」です。

 

「楽しい」「自分で起きないと」という状況になれば子どもたちは前向きに行動します。

保護者から聞いていた話と実際の様子が違って「全然違うやんけ!」というは良い意味での驚きもあるんですよ。

 

失敗をさせよう

親や毎朝起こして遅刻させないようにしているのは「自立させている姿」です。起こす人がいなければ元に戻ります。

ではどうすればいいのか。それは自分で選ぶことが第一段階です。

「自分で起きなきゃ」「学校に行こう」という意識づけです。

 

具体的な方法で言えば「失敗させよう」と考えてみてください。

小学校や中学校では強烈なまでの同調圧力があります。基本的に「みんなと同じように行動しないと」という意志は学校に通っていれば持つようになります。「遅刻する」というのはみんなと違う行動です。本来、子どもにとっては嫌な状態なんです。

 

「朝寝坊した」「学校に遅れた」そんな失敗が「早起きしよう」という意志を育みます。

だからこういう失敗はしてもいいんです。次に繋がります。