療育や訓練、勉強に食事や着替え、学校への準備などなど。

育ち盛りのお子さんを育て中の方にとって「もうちょっと頑張って欲しいな」と思うときあるはずです。

 

そんなときお菓子やゲームやオモチャなどご褒美で子どもに頑張ってもらおうとする場合ありますよね。

 

「モノでつるなんてダメだ!」

「モノがないと何もしなくなるよ!」

 

という声があります。

まぁ一理はあるのですが使い方次第です。

 

私は以前は特別支援学校で先生やっており、学習塾でも先生やっていた時期があります。

それらで「ご褒美あげるから頑張って」という手法を見たことがあるし、やっとこともあります。

 

その経験から「ご褒美で頑張ってもらうときのコツ」を話します。

photo by yoshiyasu nishikawa

 

うまくいくとき

私が先生をしてたとき。

自信なくして対人関係を怖がる中学生の男の子がいました。

 

彼は知的障害もあって学力は小学校1年生か2年生くらいです。

 

3学期になって自信も大分回復したようですが、どうにも友達に話かけたりが苦手。

本人は友達や人に興味はあるようなのです。でもちょっと怖いみたい。

 

そこで私は「朝、友達や先生に5人挨拶しよう。出来た日はシールを貼っていく」としました。

 

コツを言いますとシールはその子が好きなキャラクターものにしています。

沢山貼っていけば豪華な一枚の絵になるような感じ。

 

最初はその子はシール目当てで挨拶していました。

自分の知っている先生から初めていって、とりあえずシールをゲット。

 

次第に違う学部にいる先生や介助員さんにも挨拶していきます。

やがて友達にも挨拶するようになって「今日○○君に挨拶出来た」と報告するように。

 

そして3学期が終わって、担任が替わります。よってシールのご褒美もおしまい。

 

その後、彼はどうなったかというと変わらず挨拶を続けています。

 

なんでご褒美がなくなっても続くかというと、元々友達や人への関心が高く「もっと関わりたい」と思っていたからです。

関われなかったのは自信がなかったからでシールは一歩を踏み出すきっかけ、ということです。

 

こういった

「一歩踏み出すためのきっかけづくり」

「その活動自体に興味がある」

 

そんな場合はご褒美からスタートさせて、それがなくなっても続きやすいものです。

 

うまくいかない場合

うまく行かない場合、つまりご褒美がなくなるとやめてしまう場合も説明します。

 

これは学習塾での話ですが「宿題やったらスタンプ1コ」とご褒美で頑張ってもらう仕組みがありました。

スタンプがたまると100円ショップにあるようなオモチャや文房具がもらえます。

 

こういう場合はご褒美なくなると続きません。

 

そもそも勉強自体がしたくないわけですから。

やる理由はスタンプでありその先にあるオモチャです。

 

ご褒美がなくなると勉強する理由がなくなるのでやらないのです。

 

日常生活でも同様で「お手伝いしたらご褒美」はあんまり成功しないようです。

とはいえご褒美きっかけに掃除などお手伝い自体好きになる子もいましたが。まー例外かな。

 

ただ勉強よりは上手くいきます。

「人の役に立つのが嬉しい」「役割を感じる」といった理由で続きやすいものです。

 

怒るのもご褒美も対して変わらない

私は怒鳴りつけて子どもに何かやらせようというのなら、ご褒美でも良いんじゃない、と思います。

 

例えば「ご褒美あげるとそれなしでは行動しなくなる」という理由で怒鳴りつける先生がいるのですが。

 

ただ私は怒り続けると「怒鳴らないと行動しなくなる子になるのでは??」と考えるのです。

 

怒鳴るのもご褒美も「刺激を与えることで行動を起こさせる」という点では同じです。

 

ご褒美は絶対ダメというなら怒鳴るのも絶対ダメです。

そして「怒鳴ったら必ず悪い子になるのか?」と言えばそうではないですよね。

 

同じようにご褒美あげたら必ず悪い方向になるとも限りません。

 

もし子育てにお悩みなら「初めの一歩を踏み出すため」という目的でご褒美を使ってみるのもいいですよ。