ポケモンGO流行っております。
ポケモンGOを簡単に説明しますと、外でやるスマートフォン用ゲームです。
通常ゲームは屋内でやるものですが、ポケモンGOは外へ出ることが必須なのです。
珍しいポケモンを捕まえたければ外へ出るしかない、という仕組みです。
そんなポケモンGOですがYahoo!ニュースでこんな記事を見つけました。
「ポケモンGOをきっかけに自閉症の子が外へ出かけるようになった!」
「頑なにスケジュールを守っていた子がポケモンをきっかけに変更できるようになった!」
といった内容です。
そうなんです。好きってものすごく大事なのです。
私は特別支援学校での勤務経験がありますが、学校でも「好き」をきっかけに成長することは多くあります。
「ずっと家にいっぱなしでこれでいいんだろうか・・・」
「時計は読めるのに時間通りの行動が出来ない」
「自分の自信が持てず、引っ込み思案で行動出来ない」
こんな悩みも「○○が好き」という気持ちが問題解決の糸口になります。
というわけで今回はポケモンGO人気に便乗・・・じゃなかった、ポケモンGOのように自閉症の子が外出のきっかけになるスポット3つを紹介します。
カラオケボックス
自閉症のお子さんにカラオケはおススメです。
「ウチの子は普段あまり喋らないほうだけど大丈夫??」
と思われるかもしれませんが、行ったことがないなら一度誘ってみてください。
歌うだけがカラオケの楽しみ方ではないのです。
私がいた学校ではレクリエーションでよくカラオケをしていたのでよく分かるのです。
要は楽しめればいいんです。
実際、カラオケを前にすると歌う子もいれば、曲の振り付けを踊ったり、流れる文字を読んで楽しむ子もいます。
「楽しいのかな??」と思われるかもしれませんが、そのあとも曲のリクエストを何度もしてくるので楽しいのです。
実際にクラスで「レクリエーション何がしたい?」と質問すると「カラオケ」と応える自閉症の子は結構います。
心にグッときた経験があるのですが、クラスに超物静かな受動的な子がいました。
こちらから近寄ると受け答えしてくれて、授業もマジメですが、本人からの発信は少ないのです。
まぁそれも本人の自由なのですが、ちょっと寂しい気持ちもあったりします。
で、ある日クラスでレクリエーション決めることがありました。
そしたらその子がこちらの近くに寄ってきて一言「カラオケ」と言ってきたのです。
思いがけない行動により、クラスレクはもちろんカラオケに決定(笑)
こんな感じで好きをきっかけに成長する子は多くいるのです。
ちなみにカラオケでその子は歌いませんが、リクエスト曲の画面見ながら身体でリズムをとって楽しんでいました。
プール
夏の定番、プールです。
2学期明けの夏休みの生活表を見ると「プール行ってきました」は多くみられますし、特別支援学校の夏のお出かけ先候補にもなります。
「授業でプール入るから別にいいじゃない」
と思われるかもしれませんが、経験なければぜひ民間のプールも利用してあげてください。
というのも学校のプール授業は時間制限が厳しくて「満足に楽しめていないのでは??」と察するところ。
思う存分楽しんでもらいたいのですが、次の授業があるので上がってもらわなくてはなりません。
私はなぜか毎年プール係をやっていたのですが、毎年のように「プールの悲劇」に見舞われます。
何が悲劇かというと、みんな遊び足りないので出たくないのです。
自閉症の子に多いのですが「プールから出たくない」といって入り続け給食の時間始まっても、入り続けようとする”悲劇”を数回経験しています。
私その間ずっとプールにいて、放課後の職員室で給食食べたことありますからね(笑)
冬の温水プールもおススメです。
多くの子が「プールは夏に入るもの」といった当たり前があります。
それが温水プールにより崩れ去るのです。プール好きにとってはたまらない衝撃。
実際の話、温水プール入りたさに自閉症の子が、外出するようになった話があります。
最初は家族で行っていたのですが、やがては一人で手順を覚えて行けるようになりました。
これってポケモンGOと同じ理屈です。
「○○したい」というような楽しみが見つかれば自然と外へ出ますし、その経験によって成長していきます。
好きをきっかけに成長した好例です。
マクドナルド
校外学習(遠足)での定番お昼ごはん場所、マクドナルドです。
メジャーかつ、好きな子が多く、出来上がるのも早いので外出の際、非常に重宝するのです。
マクドナルドはメニュー表をネットから印刷して出せるので、買い物学習にもピッタリです。
ハンバーガーセットにアップルパイ足すと合計いくらになる?
などの事前学習を何度やったことか。
普段の買い物の勉強よりも意欲がかなり違うんですよ。
食への意欲の強いお子さんなら、マクドナルドが何よりの訴求力を持ったりもします。
ポケモンGOがヒントです
ポケモンGOのニュースが分かりやすい例だと思いますが、「○○が好き」というのは成長の土台です。
例えばみなさんの昔(人によっては今もですが)を思い出してみてください。
恋愛をきっかけに成長するってこと多いにあったでしょう?
好きという気持ちがあれば高い壁でも超えられたりするものです。
子どもも同様です。
「がんばろう」とか「○○しなさい」といった働きかけよりも、その子の好きなものを見つけてあげる方が効果的なことが多くあります。
大ざっぱな話ですが、先生という立場になると、どうしても勉強やお行儀などを大事にする傾向があると思います。
なので私が言っておきます。
小さいころのうちから「○○が好き」を見つけておいてください。
今、それが見つかっている方は非常に良いことだと思います。大切にしてあげてください。
後で必ずいいことがあります。
まだよく分からない方は、まずは意識を持ってみてください。
「この子の好きって何だろう」と意識すると答えは見えてくるものです。
「好きこそものの上手なれ」という言葉もあります。
繰り返しますが将来に向けて「○○が好き」を見つけてください。
見つかったら喜びましょう。
それはお子さんにとって成長の土台となって、心の支えにもなるものですから。