私には兄がいます。

 

他人からみれば兄は普通の人。

ですが私からみれば兄は常に自分の先を行く敵わない存在でした。

 

一緒にいると『あぁ、俺ってダメなのかな』と勝手に思ってしまうのです。

 

兄が悪いんじゃないですよ。

何もしなかった私の行動力のなさが原因です。

 

そんな私を見かねてか、単にイラッときたのか。

兄は私に『こうしなさい』『こうあるべきだ』と指示してきました。

 

時には反抗しながらも従っていました。

というのも私にとって兄は非常に優秀な存在で劣等感を感じてしまう存在なのです。

そんな人に言われるものだから『それが正しいのかな』と疑わなかったんですね。

 

実際に理屈で言っても兄は正しかったと思います。

 

ただ何故か自信はつきません。

中学生くらいまではとにかく『俺ってダメダメ』と思っていました。

 

頭の中が『なんで俺ってこんなにダメなんだろう』という考えで埋まっていたのです。

 

ラグビー部に入る

私は高校時代はラグビー部に入りました。

何故かというと『いい加減このままではヤバい』と思ったから。

 

というのも中学校で好きな子がいたのです。

ただ彼女に対して全くなんの行動も出来なかった。

 

とにかく行動力がないのが私の欠点。兄の言うとおり。

中学生なりの頭で考えて『自信がないから行動出来ないのではないか』と考えました。

 

そこで『自信つけよう』と思い高校でラグビー部に入ったのです。

 

『何でラグビーなの?』

 

と言われると理由はいくつあるのですが一つに『兄の逆をいこう』と考えたのです。

兄は理系タイプで冷静で論理的。そして私にとっては超えられない壁。

 

兄を超えたら自信がつく気がしたんですよ。

ただ同じことをしても敵わないのです。それは一緒に過ごして痛いほど分かっていました。

 

なので『コイツを超えるためには??』と思い兄とは逆方向の人間になることにしました。

それがラグビー部だったのです。

photo by Mariana Amaro

 

センスの欠片もなかったけどね

卑下でも謙遜でも何でもなく私はセンスのない選手でした。

練習だけは休まずに参加して病欠以外では皆勤賞だったはず。

取り柄はそれくらい。

 

3年生になると私はラグビー部の主将になりました。

 

『え?すごいじゃん』

 

って思うでしょ?

ところがこれは私の実力ではないのです。

 

なぜ主将になれたかというと3年生が私含め2名しかいなかったから。

 

どっちかが主将で副将なわけです。

そして私の方が古株でした。年功序列みたいな理由で私が主将になったのです。

 

私の主将としてのセンスもヒドいもの。

なにせ今まで誰かの言う通りに行動してきただけで、仕切る経験ないですから。

 

私の主将のやり方はとにかく顧問の先生の言うとおりにしかやらないのです。

 

私のいた部の顧問の先生はとにかく鬼。

鬼顧問がいない日はちょっと手を抜きたくなるのが人情ですよね。

 

でも私は融通が利かない性格で妥協しないのです。

 

選手としてのセンスもないので実力で引っ張ることも出来ません。

おかげさまで部はバラバラでした。

 

他人は関係ない

選手としても主将としても私はヒドいものでした。

それでも高校最後の試合では終わったあと号泣して感動していました。

 

辞めることなく3年間続けた

 

これだけで『俺スゴイじゃん』と思ったんですよ。

 

他の人と比較したらもっとスゴイ人はいます。

選手、主将として私より上の人はそれこど山ほど。私なんて下から数えた方が早い。

 

ただそんなのはどうでもいいんですね。外からの評価ではなく自分の中の問題。

外部から見れば『30点の選手で主将』であっても、私にとっては『なんだよ、俺スゴイじゃん』と思えるものなのです。

 

自分の意志でやった30点

『俺には部活でも3年やり通すことができる』

このことが分かってから私の自信のなさはかなり減りました。

 

とはいえまだ十分ではなく大学、社会人と色々問題は起きるのですが。

その辺りは追々書いていきますが、自信がついたきっかけに共通するのは『自分の意志でやったこと』です。

 

誰かの『やりなさい』『こうあるべきだ』という声に従った結果ではないのです。

 

んー分かりにくいですね。おさらいしましょう。

 

小さい頃の私はとにかく行動力のない人間でした。

みかねて兄が指示はしてくれたのですが、指示に従うものの自信にはならない。

 

中学生で好きな子が出来たけどここでも行動出来ない。

この時に『このままではヤバい』と思って初めて自発的に行動したんです。

それがラグビー部。

 

結果は非常にショボいもの。

選手としてセンスはないし主将としてもダメ。

点数で言えば30点くらいです。合格点では決してない。

 

でも私にとっては初めて自発的に行動したもの。その中での30点なのです。

 

例えば私は勉強は中学では学校で真ん中くらい。ちょっと上の教科もありました。

ただ平均点であっても自信にはならないんですよ。

自分の意志でやったわけではないからです。ただやってただけ。

 

ラグビー部は30点なんです。平均以下。それでも自信になったのは自分の意志だからです。

 

『他人の言うことを聞いてその通りやって褒められる』

この方法では身につかない自信があるのです。

 

むしろその方法だと頭の中が他人の価値観でいっぱいになって自分の気持ちが分からなくなるでしょう。

他人に褒められるための行動をしてしまうからです。

 

見た目とか結果とか数字とか

ちょっとズレた話になりますが。

『中学のとき好きだったあの子がいなかったら今頃どうなっていたんだろう』と思います。

 

何にも行動しない自分のままだったのではないか、と。

 

今では『行動力あるね』と言われるくらいですが、元々行動力はなかったんです。

 

思うに見た目が立派だったり、数字や結果が凄くても誰かの言うとおりにやっているウチは自信にはなりません。

『やってみたい』『こうありたい』という気持ちが芽生えてこそです。

 

芽生えさせるには周りはあんまり口出ししない方がいいです。

先ほども言いましたが頭の中が『他人の価値観』でいっぱいになるから。

 

言うとおりにさせて立派になっても自信はつかない

本人の意志で始めたことは小さい結果でも自信になる

 

そう意識してみてください。

『あ、そういうことか!』と気づくことがあるでしょう。