私は以前は特別支援学校で先生をやっておりました。

塾や中学校にもいましたが、先生のマニュアル的な本では「怒ってはいけない」「叱ることが大事」「カウンセリングカインド」というような言葉がよく出てきます。

 

その割には学校の先生ってよく怒っているような気がしていますが、今回「なぜ怒っては駄目なのか」という話。

ただこれは先生など専門職、プロの話なので「怒ってしまった自分」をあまり責めない方がいいですよ。

 

勉強熱心なお母さんで「つい子どもを怒鳴ってしまいました・・・」と反省文を連絡帳に書いてくるお母さんがいますが「そりゃ長くいれば感情的に怒ることもあるだろう」と思います。

 

私だって子どものころは怒鳴られましたし、どつかれました。

私独身ですが友人の家庭へお邪魔しても「なんでそんなことするの!!」と激怒するパパ、ママいますが子どもは良い子に育っています。

 

子どもは怒りすぎない方がいいと思います。

 

しかし「怒っては駄目なんだ」と自らを縛らないでほしいのです。

またすぐに怒らない人間になれることはありません。

 

スポーツや勉強と同じで少しずつ上達していくものです。

50点が55点になればいいんですよ。

 

怒ってしまった自分を責めるのはでなく「怒ることが教育なんだ」とは思わないでほしいのです。

 

というわけで、あまり身構えないで読んでくださいね。

 

「怒られた!」が先にくる

ご自身が子どもだったころを思い出してもらってもいいんですが、「コラ!!」と怒るとまず怒られたことにびっくりします。

 

「何が悪いのか」「どうすればいいのか」という教訓の前に「うわ!怒ってる!!」という感情の方が頭を支配してしまいます。

 

怒るのが良くないとされるのはそういう理由からです、

 

「何が悪いのか」「どうすればいいのか」が頭に入らなければ同じことを繰り返す、もしくは怒る人の前ではそれをやめて他の場面でそれをするといった具合になります。

photo by Maryland GovPics

photo by Maryland GovPics

 

怒られることに慣れてしまう

私自身、家庭に関しては「そりゃたまには怒ることもあるでしょう」と考えています。

ついイライラしてしまうときや疲れているときは感情的にだってなるでしょう。

 

学校の先生だって「イライラしていると普段怒らない場面でも怒ってしまうよなぁ」という会話をすることもあります。

 

先ほども言いましたが「怒ることが相手を教育することだ」という認識を持たないことが大切なんですよ。

 

それでですね。

学校へ行くとよく分かるのですが、怒られ慣れている子どもがいます。

 

先生が怒っていたらマニュアル的に「こうすればいいんでしょ」という感じで謝罪する姿勢を見せてきます。

もちろん謝罪する姿勢なので反省は致しておりません。

 

怒ることが教育だと思うと、怒る人の前では良い子になって、それ以外の人では普段の自分という図式になります。

そうなると・・意味ないですよね。

 

例えるなら「警察官は教育者にはなれない」ということです。

 

警察には権力があり、抑止力がありますが教育をしているわけではありません。

 

パトカーの前ではスピードを落としたり、安全運転したりするでしょう?

それと同じ心理です。

 

怒ることには抑止力がありますが、教育ではないんです。

 

・・とはいえ家庭では抑止力が必要な場合はあるでしょうし、イライラしていたら怒ることはあります。

人間ですから。

 

というわけで「怒ることが教育なんだ」とは思わないことです。

そう思えていれば大丈夫です。