先日、既婚の友人と話していて『奥さんとその妹の仲がどうにもよろしくない』という話になりました。

 

聞けば奥さんは優等生。

学生のころから学業は優秀で運動も出来るそうです。

生徒会も務めるなど品行方正で育ってきたとのこと。

 

妹さんは反対に自由奔放だそうです。

恋愛事情も同様で不倫や二股などよろしくないものが多い。

また両親には金銭から生活にいたるまでべったり甘えているとのことでした。

 

深く話を聞いていくうちにどうも妹さんの行動には『両親の気を引きたい』という気持ちが潜んでいるようだ、とのこと。

昔から『姉は優秀だからチヤホヤされて自分はダメだ』という意識があったようです。

 

おそらくはこんな発想なのでしょう。

 

『勉強や運動では姉には勝てない』

『悪事や心配をかけることで両親からの気を引こう』

 

ということ。

 

『悪いことで問題解決する習慣が大人になっても続いているんじゃないかな』との友人の意見でした。

photo by Tina Leggio

 

誰にでも起こること

『気を引きたいがために悪いことや悪口をいう』

これはどんな兄弟姉妹にも起こりうることです。私にも兄がいますが似たようなのはありましたね。

 

そして障害ある子の間でも起こりうることです。

 

例えば姉が車椅子に乗っていて、妹には障害がない場合。

身体障害ゆえに生活面では支えが必要となります。となると親は姉にかかりきりになる。

その姿に妹が嫉妬する場合が起こることがあります。

 

『お姉ちゃんは身体障害あるから仕方ないでしょ』

 

という理屈が通じない・・・というか受け止められないんですね。

身体障害ある姉を支えないわけにはいかないので、この場合は行き詰まりを見せます。

 

学校でも同じ問題はおこる

私は特別支援学校で先生をしていました。学校でも同様のことが起こります。

『嫉妬心ゆえに』『先生の気を引きたいがために』という理由で悪いことする子は結構います。

 

そして「片方を立てれば、片方はすねる」という事態に陥いることも。

 

言ってはいけない言葉がある

『悪いことをして気をひく』って建設的でないことですよね。

理屈で考えたら『良い子として気を引こう』が建設的。

 

でも子どもに『良い子として褒められようね』と理屈で正論言っても効果なしです。

 

大体のパターンで逆上します。

その場では平穏でも不信感を抱かれるようです。

 

何故かというと『気を引きたいから』なんですよ。

『良いことしたい』とは思っていないんです。だからやらないんです。

 

例え良いことしたとしても、そこで確実に大人が本人の望むように褒めたり、認めたりしなければ逆上となります。

 

実はこれは私自身失敗したことでもありますし、周りの先生もやるパターンです。

『悪いことじゃなくて良いことしようね』と言って上手くいった試しはないですし、周囲を見ても同様でした。

 

例えば車椅子の子に対して嫉妬する子がいました。

『一緒に車椅子の子のお手伝いをすればいいんじゃないか』と誘ってやってみましたが、やっぱりそういうのは分かるんですよ。

 

『これは私のためじゃない!』と感じるんですね。反省です。

 

工夫できる部分はある、はず

仕事で忙しかったり、障害によってはどうしようもない場合もあります。

外部の力を借りるのも一つの手です。

 

自前で出来る方法があるとすれば『寂しい気持ちを埋める』という考えが一番。

 

『その子のために出来ることをする』

 

という『それが出来たら苦労しない』と言われそうですが、それが王道です。

 

具体的に言えば

 

文字で気持ちが伝えられるなら手紙などで伝えてみてください。

手紙がダメなら、その子のためにお土産買うなど『私はあなたのことも考えていますよ』と伝えることです。

 

心が満たされれば『良いことしようね』も前向きに受け取ってくれるはず。

 

心が満たされる→言葉かけを受け止める余裕が出来る→良いことをする→心が満たされる

 

という循環に入ります。

まずは大人からスタートです。なかなか大変かと思いますが『その子のために』出来る限りのことをしてみてください。