療育は必要なのか

障害ある子は受け身になりやすいのはなぜ?療育や学校教育の限界

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私が特別支援学校の先生だったころ、非常に受け身な生徒がいました。

大げさでも何でもなく全てが受け身です。身体障害で車椅子に乗る男子生徒でした。

 

彼は断ることがありません。

勉強も自立活動といわれる訓練にも嫌な顔をせず取り組みます。

自立活動では「僕は訓練慣れてるから」と言っていました。

 

先生の間では彼は優等生という評価です。

ただ1学期終わり、2学期頃になるとこちらに心を許してきたのか、内心不満な様子が見えてきました。

聞こえないような声で文句をぶつぶつ言ったり、不機嫌な姿が見られるようになってきたのです。

 

当然といえば当然ですが、彼にも自分のやりたいことや想いがあるのです。

ただそれを言えないのです。

 

受け身の子は指導しやすい

問題発言かもしれませんが学校の先生など仕切る立場からすれば受け身の子というのは有難い存在です。

なにせこちらの言う通りにやってくれるのですから。

 

先生の指示通りに行動できるかどうか

という項目はおそらくどの学校でも重要視されているのではないでしょうか。

 

先生は受け身の子を好みます。

また障害ある子は、手助けが必要が故に先生の言うことを聞きやすくなります。

受け身になりやすいのです。

 

それは絶対悪ではないのですが副作用を生んでしまいます。

 

受け身だと人生が楽しくないのです。

photo by CHILDREN OF DARKLIGHT [DKL]

アルバイトやお見合い結婚は楽しいのか

受け身ということは「指示を受けないと行動出来ない」ということにもつながります。

 

「指示を受けないと行動出来ない」これは仕事に例えるとアルバイトや下請けのようなもの。

 

アルバイトや下請けではやるべきことがすでに決まっていて、それを遂行することが求められます。

多少の例外はあれどアルバイトは受け身です。

 

「受け身の何が悪い?」

と思われるかも知れませんが、アルバイトのような人生はつまらないのです。

 

同じ物事に取り組んでいても自分がやりたいと思ってやっているのか、他人から言われてやっているのかでは充実感のレベルが格段に違います。

 

例えば、休日はいつもテニスを楽しんでいる人がいるとします。

その人が誰かから『休日は必ずテニスをしなさい。3時間以上やること』と言われたらテニスは単なる作業になります。楽しいはずにテニスがつまらないものになるでしょう。

 

アルバイトも同じです。

楽しいアルバイトがあるとすれば、そこには自由に出来る部分があるからです。

ガチガチのマニュアルで固められた仕事は楽しくありません。単なる作業だからです。

 

お見合い結婚でも考えてもいいと思います。

最近の結婚の多くは自由恋愛からです。

 

でもお見合いの方が第三者の目が入るので客観的、冷静な判断のもと相手と巡り会えます。

効率的、正確性で言えば、お見合いの方がいいのです。

 

でもみんなが自由恋愛を望むのは「誰かに決められる人生はつまらない」という想いがあるからではないでしょうか。

 

アルバイトのように、誰かから決められた内容をやることは単なる作業の時間です。

お見合いよりも自由恋愛が好まれる理由の一つは「自分で選びたいから」というのがあるでしょう。

 

教え込むことの限界

障害のある子は小さい頃から「これをしなさい」「それはダメ」と言われ続けています。

その時間はアルバイトのような作業時間であり、自分では選べないお見合い結婚です。

 

記事冒頭の身体障害ある受け身の男の子が不満をぶつぶつ言っているのは自分のやりたいことが言えないからです。

彼にとって授業は言われたことをやる作業の時間になっています。

 

ただ問題なのは。

一見すれば彼は優等生なんですよ。周りからすれば、真面目な日々を送っているように見えます。

 

でも本人からすればつまらないのです。

 

それが不満をぶつぶつ言っている彼の姿です。

 

療育や教育にみられる教え込むというスタイルには限界があります。

その限界とは行き過ぎた教え込みはその子を受け身にしてしまうということ。

 

受け身の性格が絶対ダメとは言いません。

これは私の感覚ですが、彼らは間違ってもいいから人生の色んなことを自分で選びたいんじゃないか、と感じるのです。

 

ただ彼らは障害ゆえに誰かの手助けがいります。

その手助けをしてくれる人(=先生)から「これをしなさい」「それはダメだ」と言われたら従うでしょう。

 

でもそれは本当に自立しているのでしょうか。

 

また何のために自立を目指すのでしょうか。

人生をつまらなくして自立して、それが本人に一体何の喜びをもたらしてくれるのか。

 

ちょっと私にはその意義が分からないのです。

 

選ぶことから始まる

学校のスタンスは教え込むというスタンスです。

これが変わることは難しいでしょう。

教え込むスタンスは受け身の子を生み出しますが、その受け身の状態を「真面目」「頑張ってる」と評価する先生もいるからです。

 

くどいですが受け身、能動的も個人の性格なので良し悪しは図れません。

受け身=すぐになんとかせねば、とはならない、ということです。

 

ただ記事中にもあった実は裏でぶつぶつ文句を言っている状況にまでなればそれは問題です。

 

そうならないためにも「選ぶことが大事」と意識してみてください。

 

意識すると回避が出来ます。

 

例えば、横断歩道を安全に渡れるかどうかは「横断歩道は車が通る」「走っている車は危険である」と意識があるか、ないかです。

意識があれば横断歩道を見て危険を予知します。

意識がなければそのまま渡ります。

 

この違いです。

 

同じように「選ぶことが大事」という意識が生まれれば日常の色んな場面で反映されます。

まずは選ぶことが大事という意識からです。

dai

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