私は特別支援学校で先生をやっていました。
今回その経験から環境を変える話をします。
嫌なことがあっても環境に慣れることで乗り切ろうとすることがありますが、「合わないものは合わない」ものです。
環境を変えることは行動力のいることですが、その一歩目をお手伝いできればと思います。
学校の方が癒しだった??
もう大分前に卒業していますが、知的障害ある男の子がいました。
彼は学校では比較的おとなしいのですが、家では悪さをします。
連絡帳では「休みの日にテレビ壊しました・・・」など過激な報告がありました。
「なんで家では悪さするんだろう??」と不思議でしたがどうやら原因は祖母にあったようです。
というのも普段はお母さん子ども想いの言葉をおっしゃります。
「この子も悪気はないんですけど・・」という風にです。
ただお家で話していると雰囲気変わるのです。
「この子はダメで・・・」と愚痴に変わっています。
そして偶然祖母の方に出会ったのですが、その祖母さんが「この子はダメで・・」とお母さんと全く同じ口調で話していました。
お母さんの話でも「祖母が子どもに冷たいんです」と話していました。
このお母さんも無意識でしょうが、家では祖母の影響を受けているように思えました。
特別支援学校では辛くあたってくる大人はいないので問題を起こしません。
ただ家では自分を受け入れてくれない雰囲気があり、悪さをする。
そのような仕組みになっているようでした。
合わないものは合わない
「親子仲良く」「兄弟仲良く」は美徳ですし、望ましいものです。
ただ「合わないものは合わない」という関係は存在します。
人は簡単に変わらないですよね。
「変わりたくても変われない」といってもいいでしょう。
同じような例で夫婦仲が悪く離婚したら子どもが落ち着いた話もあります。
見分けるポイントは子どもの気持ちです。どこかしらで問題を起こしSOSを出しています。
仲良くする努力も必要ですが、離れることが一番の解決となることもあります。
それは親子でも兄弟でも、学校でもそうです。
「学校が変わって元気になれた」
「先生変わって元気になる」というのもあるのです。
「知らぬまに誰かの影響を受けている」というのは認識しにくいもの。
祖母の口調と同じになっているお母さんも「祖母と同じこと言っている」とご本人は分かっていないでしょう。
知らず知らずのうちに周りの影響を受けるものである
というのはどこにでも誰にでもあります。
意識すると避けられます。
また「離れることが一番良い解決方法」となることもあります。
今いる環境にSOSが見られるなら「慣れる」より「場所替えする」方がいいことがあります。