先日ニュースで『障害者施設で施設長が知的障害ある女性利用者に対してわいせつ行為をした』というのが流れていました。

 

事件の概要をみていくと10年以上にも渡ってこの施設長はわいせつ行為を続けていたとのこと。

同じような事件はなくなることなく「定期的」といってもいいくらいに流れてきます。

 

私はこのサイト上で問いあわせを受け付けています。

内容の多くは施設職員や学校の先生による虐待や行き過ぎた指導に関する相談です。

 

私は以前は先生をやっていたので「行き過ぎた指導」を目の当たりにしたこともあります。

先生は悪い人ばかりではありません。良い先生はいます。

 

ただ一定数「上から目線でいる先生」はいます。

 

ただ子どもは「嫌だ」とは言えないのです。

それは気遣っての場合もありますし、怖くて言えない場合もあります。

障害によっては表現すること事態が難しい場合もあります。

 

『嫌なことは嫌という』

障害の有無は関係ないですが、これも生きていく上では必要な力です。

 

心は自由である

重い障害を持ちながら「自分は幸せだ」と言う人がいます。

 

親も同様です。

ある重度の身体障害ある子を育てているお母さんの話。

特別支援学校卒業式でお母さんは娘さんに手紙を書いて朗読しました。

 

『あなたがいると優しくなれる。あなたが笑うと笑顔になれる。だからすっとそばにいて』

そんな内容でした。

 

『今、自分は幸せだ』そう思えるかは心が決めます。

 

出来ないことがあっても心は自由です。

心による受け止め方が変われば事実は変わります。

 

『嫌なことは嫌』と言える意志も、幸福を感じるのも心が大きな要因を占めます。

 

教育は無力ではない

知的障害や身体障害、精神障害であっても基本教育によって出来ない部分は変わりません。

どうしても克服出来ないことがあるからこそ『障害』です。

 

分かりやすく伝えるため数字を使います。

30点が35点になれば成長です。でも赤点であることは変わらないんです。

 

教育の力では「障害は障害のまま」なんです。

障害が改善出来るとしたらそれは医療や科学の分野。

 

では教育は無力なのか。

私はそうは思いません。

 

私は特別支援学校の先生として「死にたい」「生まれたくなかった」と言う子が自信を取り戻し「今が楽しい」と言えるまでになる様子を間近で見てきました。

 

教育のやり方次第では「不幸だ」と思っている子を「幸せだ」という域にまで持って行くことが出来るのです。

 

医療や科学では出来ないことが教育で出来ます。

 

でも今の障害ある子の教育は医療や科学の真似をしています。

それが今の障害ある子の教育の問題点です。

 

医療や科学は「出来ないことを出来るようにする」が本分です。

教育はそれを使って子どもたちを幸せにするのが目的です。

 

なのに今の教育は医療や科学と同じ「出来ないことを出来るようにする」で止まっているのです。

 

誰かと同じはつまらない

誰かの言う通りにしたり、誰かの真似をして生きるほどつまらないものはありません。

 

私は先生を辞めましたが『自分らしくいられなくなったから』が理由です。

 

ある一件をきっかけに心が折れました。

「もう頑張るのやめよう」「周りに合わせてやっていこう」

そう思いました。

 

それから先生という仕事にやりがいや生きる実感がなくなりました。

自分はどうしたいのか、自分はどうありたいのかを捨てたからです。

 

でも周りからみれば私は「普通の先生になった」ということでしょう。

 

ただ私はそんな普通には何の価値も見いだせません。

 

私の価値観から言えばそんな普通なんて”くそくらえ”なんです。

 

もっとやりたいことをやればいい

今の障害ある子の教育は医療や科学に近いのです。

『どうすれば健常者に近づくのか』

『どうすれば社会に適合するのか』

そんなことを考えています。

 

まぁ私の教育に対する認識が間違っているのかもしれません。

 

ただ少なくとも教育は『この子たちの幸せとは何なのか』『どうすれば幸せになるのか』の領域に踏み込んでいません。

 

『出来ることが増えればいい』

多くの先生はそう考えています。

 

個別の指導計画や成績をみてください。

『出来る、出来ない』という表現が多数あるはず。それが実態です。

 

では幸せを感じるにはどうすればいいか。

私の知る範囲で言えば、あなたやお子さんの心が一番大切です。

 

「自分はどうしたいのか」「自分はどうありたいのか」を絶対に忘れないことです。

 

それを忘れさせようとする物事が沢山あるのが、現在の障害ある子の世界です。

だから忘れない工夫が必要です。

 

今、楽しいですか?

自分のやりたいことや好きなことが見つかっていますか?

 

ハッキリとそれが分かるならOKです。

 

分からなくなっているなら探してみましょう。

 

まずは小さなことから。

何でもいいので思いつく「やってみたいな」と思うことをやってみてください。

 

ゲームや映画やスポーツや音楽や芸術でも何でもいいです。

やっていくうちに「楽しい」「これは違う」など色んな思いが生まれます。

 

それが心の動きです。

その動きの中から理由も分からず心が激しく動くものがあるはず。

 

それがやってみたいこと、です。

「これだ」と思えるものが見つかれば全力でそれを追いかけてください。

あなたが障害ある子の支援者ならそれを全力で応援してください。

 

「今の自分は幸せだ」

そう思える瞬間に出会えるはずです。