自分に自信が持てない
学校に行きたくない、行くことが出来なくなった
そんな悩みを抱えている子どもたちや保護者の方へ向けて書いています。
不登校解決のヒントや答えともなるロックバンドの紹介です。
学校や施設を中心に全国へ音楽活動をされているJERRYBEANSさんです。
JERRYBEANSさんはボーカル&ギターの山崎史朗さん、ドラムの山崎雄介さん、ベースの八田典之さんからなるバンド。
『バンド紹介がなんで悩み解決になるの?』
と疑問に持たれるかと思いますが、JERRYBEANSさんの結成の由来は不登校の親の会で出会ったことから始まっています。
3人とも過去に不登校を経験されているのです。
またJERRYBEANSとしての音楽活動と同時に不登校やいじめなどで悩む子どもたちの相談にのりながら、保護者の会を結成するなどの支援活動もされています。
昔不登校だった子どもが沢山の人の前へ出て、多くの子どもたちを勇気づけているということです。
JERRYBEANSさんの現在の姿や経験は、現在いじめや不登校などで悩んでいる子どもたち、保護者の方へのヒントやメッセージになるはずです。
不登校の少年時代からミュージシャンへ
不登校になったきっかけは何だったのでしょうか?
小学校のときクラス内にいじめがありました。ある女の子を無視したり、ばい菌扱いしたりしていたんです。
そのいじめには加わりませんでしたが、自分も標的になるかもしれないという恐怖から止めることも出来ませんでした。
誰にも相談できず学校が怖くなって段々学校へ行けなくなりました。
それから中学3年生までは不登校となったとのことですが、変わるきっかけは何だったのでしょうか?
親が不登校の親の会に連れ出してくれたことが始まりでした。
会で出会った不登校仲間とサッカーや釣りなど引きこもっていたときには出来なかったことを沢山やりました。
そのうち楽器に興味を持ち、みんなで合わせて練習していたら親や周囲の人が喜んでくれたんです。
周りから認められたことで「これで生きていこう」と思いました。そして16歳のときにプロミュージシャンを目指し上京しました。
楽しいことや好きなことをしていくうちに夢となるものを見つけたんですね。
ミュージシャンとなられた今、不登校だった過去をどう思いますか?
不登校になる前は色んな夢がありました。
でも学校に行けなくなって、それまで持っていた夢はなくなりました。
「みんなと同じことが出来ない自分に夢をもつことはできない」と思ったんです。
あの頃は「夢はなに?」と聞かれるのは苦痛でした。
今でも昔のことを語ろうとすると涙が出そうになるときがあります。
周りからすれば自分は「過去を乗り越えた人」のように思えるかもしれませんが、そうではないと思っています。
ただこれが「自分の生き方だ」と思えるようになりました。
不登校の経験がなければミュージシャンになっていなかった?
そうですね。絶対なっていなかったと思います。
あのころ心を癒してくれたのが音楽でした。
そして自分たちの演奏で親や周りの人が笑顔になってくれました。その瞬間幸せを感じたんです。
あのときの感動が僕の原動力になっています。
先日実際のライブ会場にお邪魔し様子を撮影させてもらいました。
小学校5年生から中学3年生まで不登校だった少年が「音楽で生きていく」と決断し本当に夢を叶えた姿です。
ご覧ください。90秒ほどの動画です。
もっとJERRYBEANSさんを詳しく知りたい方はこちらへどうぞ。
自身の経験を語り演奏を行う講演ライブも学校や施設でされています。
居場所と夢が見つかれば前へ進める
山崎さんが変わったきっかけと流れをまとめてみます。
①不登校の親の会に参加し新しいつながりをつくった
②楽しいこと、好きなことを沢山しているうちに「これだ」と思える音楽に出会えた
③「幸せと感じるモノ=音楽」を追求していった
「友達と夢が見つかった」ということですね。
私は以前は学校の先生でしたが、学校とは自分の居場所と夢を探すための場だと個人的には思っています。
居場所というのは友達や仲間です。
一生の付き合いとなる友人は学生時代に見つかりやすいもの。※大人になってからでも見つかりますよ
夢も子どものころの感動や経験が元となる場合が多いものです。
友達や仲間は「帰れる自分の居場所」です。
夢は「向かうべき目標」です。
この二つを見つけた人は非常に強くなります。
山崎さんのお話を思い出してください。
「学校に行けない自分は夢を持つことができないと思っていた」
とおっしゃっていました。
今現在、不登校などで自信を失っている人も同じような気持ちではないでしょうか。
ですがきっとそれは思い込み。間違っていることでしょう。
山崎さんは不登校となってからでも友達と夢を見つけました。
その仲間たちと上京し、本当に夢を叶えて現在は自身の経験を沢山の子どもたちへ伝えています。
言うもでもなく山崎さんにとって「自分は夢をもつことは出来ない」というのは間違った考えでした。
「無理だ」というのは思い込みで実は方法はあったということ。
人は変われます。変われる方法があります。
その方法が山崎さんの経歴に現れています。
もう一度説明しますと
①不登校の親の会に参加し新しいつながりをつくった
②楽しいこと、好きなことを沢山しているうちに「これだ」と思える音楽に出会えた
③「幸せと感じるモノ=音楽」を追求していった
ということです。
シンプルに言えば「自分の居場所と夢をみつけよう」ということ。
『そんなの自分には無理だ』
と思う方もいるかもしれません。
ですが人間にはある一定の共通した法則があります。
「山崎さんは特別な人間、選ばれた人間だから友達や夢を見つけられた」というわけじゃないんです。
誰でも褒められたらうれしいですし、侮辱されたら嫌ですよね。
だから人の長所によく気付く人には人が集まりますし、馬鹿にする人は離れていきます。
これも法則です。
次に居場所と夢の見つけ方を話していきます。
居場所の見つけ方
まずは居場所の見つけ方から。
不登校の子の場合は不登校の親の会のような同じ境遇の保護者や子どもたちが集まる会に参加するのが一番の方法でしょう。
不登校になる子は人の気持ちに敏感な子が多いと思います。
思うに気持ちに敏感な子は正反対にいる”鈍感な子”を苦手とする傾向にあります。
敏感な子は心無い言動に深く傷ついてしまうからです。
自分だけでなく周囲の険悪な雰囲気や人が傷つく姿を見るのも苦手だったりします。
敏感な子はある程度敏感さを持っている子の方が相性が良いのです。※例外はあるかもしれませんが
簡単に言えば”似た者同士は仲良くなれる”ということ。
趣味が同じだったり、好きなスポーツやテレビ番組が同じだと仲良くなれやすいですよね。
気持ちが敏感な子は同じような敏感な子と仲良くなりやすいのです。
不登校の親の会の良さはそこにあります。
同じような感性を持った子が集まるので、そこで仲間が形成されやすいのです。
私は学校の先生だったので大人になってから気づいたことがあります。
小学校や中学校はとにかく色んな子が”ごっちゃ混ぜ”です。公立の場合は特にそうですね。
そうなる理由は学校の編成基準が「地域に住んでいるから」であり、性格の傾向や学力は関係ないからです。
ですから本当に色んな性格の子どもがいます。
ここから高校へ進むと学力による選抜が進み、ある程度の似た者同士が集まります。
高校を卒業すると専門学校や大学、就職などに分かれていきます。ここでもある程度の似た者同士が集まります。
ですが先述したように公立の小中学校は分かれる前の”ごちゃまぜ”状態です。
不登校になる子に感性の鋭敏な子は多いと思いますので、そんな子にとって小中学校は友達を見つけにくいのかもしれません。
ですからそこでつまずいたなら、同じような感性を持った子が集まる場所へ参加するというのは非常に良いことだと思います。
JERYYBEANSさんの由来も全員が不登校の親の会に参加していた子どもたちです。
実際に私はメンバーの方々とお会いし話もさせてもらいましたが、みなさん物腰柔らかく謙虚な方々です。
メンバーの方3人とも同じような感性をお持ちなのだと推測しています。
夢の見つけ方
次に夢を見つけるにはどうすればよいか。
山崎さんのように「好きなことを沢山する」というのも一つの方法です。
色んなことを試していくうちに「これだ」と思えるものにいつか出会えます。
もう一つ方法があります。
それは人に話すということ。話す相手は聞き上手な人が最適です。
なぜかというと聞き役の人に話していくうちに自分の考えがまとまっていくからです。
多くの場合、悩み事の解決方法や答えは実は自分がすでに持っています。
ただ不安や自信のなさ、他人の意見などによって自分の本心は分からなくなります。
そのような場合は相手に向かって本心を話すことです。
話しているうちに余計な部分は排除され「自分はどうしたいのか」がくっきり浮かび上がってきます。
「自分がどうしたいのか」
これが大事です。周りの意見や世間体や一般常識ではなく「自分がどうしたいのか」です。
浮かんできたことを実践していけば、やがて幸せを感じるような瞬間に出会えます。
その瞬間に出会えたら、あとはそれを追求していけばいいのです。
居場所や聞き上手が見つからない場合には
不登校の子の場合は同じような境遇の子が集まる会に参加するのが一番でしょう。
ただ住まいの地域にそのような会がない場合があります。
聞き上手を探すには聞き上手な大人が近くにいれば一番です。職業で言えばカウンセラーが挙げられるでしょう。
ただ実際に子どもがスクールカウンセラーまでたどり着かない場合は多いです。
それには周りの目があるからのように思います。
身近に居場所や話を聞いてくれる人がいないのならば。
このサイトを利用するのも一つの方法です。私に相談のメールを送っていただいても構いません。
私は以前は特別支援学校で勤めていました。
色んな子どもたちや保護者の方たちとお話ししてきましたが、聞き役に徹するようにしていました。
私と話すうちにやりたいことが浮かび上がるかもしれませんし、メール上ではあるもののつながりにもなるでしょう。
よろしければ問い合わせフォームをご利用ください。問い合わせフォーム
夢と居場所。それが見つかれば人は前へ進めます。
取材させていただいた山崎さんは、
不登校で悩んでいる子どもたちに『こんな未来があったよ』と伝えたいんです。
とおっしゃっていました。
学校に居場所を感じなくなったら、どこか別の場所に居場所があるはずです。
夢というのは、不安や自信のなさ、周囲の声や一般常識などによって容易にかき消されやすいもの。
ですがないのではありません。見つかりにくいだけ。探す方法はあります。
自分の居場所と夢。
この二つが見つかればあなたは今のあなたではなくなります。未来はきっと変わります。