話すことの大切さ
当サイトでは「優しいお母さんになる方法」として相談を受け付けております。
通常は秘匿ですが、モニターとして相談承る代わりに記事掲載の許可をいただいています。
ケーススタディとして参考にしていただければと思います。
現在、相談いただいているAさんは「自分が親にされてきたマイナスなことを子どもにしてしまっている」と悩まれております。
Aさんはお子さんに対して「暴言を吐いてしまうことがあるんです」とのことでした。
ただ本気でそう思っているのではなく「言い出したら止まらない」という感覚だそうです。
どうすれば怒鳴ったり暴言を言わずに済むのか。
「暴言」までいくということは、意識の問題と捉える方がいいでしょう。
私たちは自分の感性に蓋をするときがあります。
激しく辛い状況にあるとき、感じることをやめてその場をしのごうとします。
何も感じなければ辛いとも思わなくなります。それが感性に蓋をするということです。
感性を0にすれば他人の指示通りに行動できるでしょう。
代わりに物事への感受性が鈍くなっていきます。
指示する大人にとっては有り難いことかもしれません。
ですが子ども自身にとってはマイナスなのです。
Aさんは過去に辛い出来事があったようです。
ご両親が厳しい家庭で「殺伐とした家庭だった」とおっしゃっていました。
どこかでご自身の感性に蓋をさぜるを得ない状況があったはずです。
失恋から立ち直るには誰かに話すことが最短です。
泣いている子どもに「そう、辛かったね」と寄り添えば子どもは次第に前向きになっていきます。
Aさんも同じ状況にあると感じています。
「殺伐とした家庭」と思う環境に育ち本当は泣きたかったこと、悲しかったことがあるはずです。
蓋を外すには、失恋と同じ。話すことです。
ただ失恋の落ち込みはハッキリしています。「恋人と別れて辛い」と言えます。
Aさんの場合はかなり過去の話です。
以前、お話したときも「思い出せない」とおっしゃっていました。
ですがAさんに希望は大きくあります。
「私がこの負の連鎖から抜け出せば問題は解決すると思います」
そうおっしゃっているからです。
・お子さんを変えて優しいお母さんになるのではなく、ご自身が変わろうと思っていること。
・無理に「私の家庭は幸せだった」と思わず「殺伐としていた」と思っていること。
とても良い事だと思います。
「カラスは白い」と言えば問題は複雑化します。
率直に話していただけるAさんに「あと一歩だな」と感じています。