自分が無理なものは勧めない

私は八宝菜が苦手です。

うずらの卵が特にダメで、給食の時間は残していました。

給食の時間後の昼休み。

私は座って八宝菜とにらめっこです。

 

昼休み後の掃除の時間。

ほこり舞うなか、にらめっこは継続中。

掃除終わるまで粘ると残してもOKになっているのです。

 

大分マシにはなりましたが、好き嫌いはあります。

八宝菜は食べないし、辛子明太子は食べないし、数の子嫌いだし、おせち系はダメです。

イカリングが大嫌いで、酸っぱいものも嫌い。

 

「大分マシにもなってないなぁ」と若干思いましたが良しとしてください。

 

そんな私ですから、先生時代に偏食指導は気合いが入っていません。

「俺が偏食なのに、好き嫌いなく食べなさい、はおかしくないか?」と思うのです。

好き嫌いある子に対して「だよなぁ」とも思う。

 

これは相互自立を原則としているからです。

私が本気で偏食指導するなら、辛子明太子でも八宝菜も笑顔で食べねばなりません。

そんなの放棄しているから、相手もそれなりでOKです。

 

相互自立とは相手を変えるのと同時に自分も変えていく感覚。

 

学校教育は刷り込みを行います。

「教育は強制だ」とよく言いますね。

「好き嫌いがないは良い事だから指導を徹底する」

余計なお世話で、結果はうわべだけです。

 

おっと、すみません、言葉が汚くなってしまいました。

私は偏食だったのです。籠城までして食べなかったのです。

 

「自分が出来なかったことを相手に求める」

これは1対1の人間関係、もっといえば自然の法則違反。

 

「自分は高卒だけど、あなたは大学進学しなさい」

「自分は今からごろ寝するけど、あなたは勉強しなさい」

「自分は遅刻するけど、あなたはダメ」

 

あげればキリがありません。

立場が親であっても、それはNGです。これは相互自立の法則に反しています。

「どこかにウソがある」ということです。

 

子どもは分かっています。

「あれ?なんかおかしいな。でも逆らったら怒られるからやらないと」

そんなことを考えています。

 

刷り込みは大人になるにつれ剥がれていきます。

ウソはいつかバレるのです。メッキみたいなものですね。

 

メッキが剥がれたとき、子どもは動揺します。「今までのはなんだったんだ?」と疑惑を持ちます。

大人へ不信を抱きます。

 

教育や子育てとは相手に自立を促すわけですが、相互自立を守らないと破綻します。

子どもだけ頑張らせてもダメなんです。

 

ある高校生の女の子は「父親がむかつくねん」と言っていました。

「遊んでばかりでなく勉強しろ」と言ってくるそうです。

正論ですよね。

 

ではその子は父親へ何に腹を立てているのか。

父親は毎日家でごろ寝してビール飲んで寝るだけだから。

「オマエに言われたないわ!」と思っているということ。

 

自分は頑張らないけど、あなたは頑張りなさい。

それが正しいから。効率的だから。得だから。

まぁ、言ってしまえば余計なお世話なんですよ。

 

もっとも大事なのは相互自立です。

 

自分が出来なかったことは相手もきっと出来ない。

強制させちゃダメなんです。

 

大人と子どもは強さで言えば大人が上です。

無理矢理やらせようと思ったら、やらせることが出来ます。

それを「教育がうまくいった」と思うから良くない結果に終わります。

 

これ非常に普通なことなんです。

野球やったことない人に「野球うまくなれ」と言われたらどう思いますか。

「なんでそんなことオマエにいわれなきゃいけないんだ?」と思うのが通常です。

 

「プロ野球選手なったら稼げるよ」

「君なら出来ると思うから」

そんなのは屁理屈でしょう。相手に響くわけがない。

 

親だからとか、先生だからとか腕力があるとか関係ありません。

正しさやみんな一緒なども無意味です。

 

自分がこれ以上成長する気ないなら、相手にも求めちゃダメです。

自分が出来なかったことを相手にやらせたら、ウソです。

 

「やってみる?」と勧めるのはまぁいいですよ。

ですが「やらない!」となったらそこで引かないと。

 

頑張ってない大人に頑張れという資格はありません。

どこかの会長じゃないですが「地位にあぐらをかく」というものですよ。

 

とはいえこれはスパルタ的な話じゃないんです。

悪い意味じゃないですよ。

心配しなくても、あなたくらいの人間にはちゃんとなってくれます。

あなたは生きていますよね。だから大丈夫です。

 

それ以上を望むなら自分をもっと磨きましょう。

磨くのも、自分一人でも幸せを感ずる方向へ、です。

要は「夢をみつけよう」ということ。

 

「この子がどう生きようと私は私で楽しく生きていけるわよ」

これくらいがいいんです。自立とはそういうことです。

 

その姿に「よーし、自分もやってみよう」と子どもは励みます。

自分の出来ないことは、強制させない。

相手に成長してほしいなら、自分から。

これは1対1の人間関係は当たり前のもの。

 

立場になると変わっていきやすいですが同じですよ。

相互自立を意識してください。