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押してダメなら

『何度言っても、怒っても言うことを聞かない』

『頑固・癇癪を起こす』

 

お子さんにそんな様子が見られたときの話です。

 

考え方の方向をちょっとずらしてみてください。

私は先生してましたが、方向は二通りに分かれると思っていました。

 

一つは「この子は何も分かってない」と思うことです。

もう一方は「何か理由があるに違いない」と考えることです。

 

見たままで言えば「この子は何も分かってない」と思えます。

それでも困ったなら「何か理由があるに違いない」と思ってみてください。

「いや、待てよ・・何か理由あってじゃないの??」

そんな別の解釈を試みてください。

 

ある知的障害ある女の子の話です。

彼女は特別支援学校の高校生です。

障害から言葉が不十分で身振り手振りで意志を伝えてきます。

 

彼女は1年目、優等生でした。

給食で別教室へ行くときは自らみんなの給食袋カゴをもっていきます。

身体障害ある子の荷物を持ってあげます。

先生が忘れ物したら「待ってて」と身振りで伝え教室へ取りに帰ってくれます。

 

そんな彼女ですが、2年目からは様子が一変してきました。

先生が頼み事をしても「ふん!」と怒って横を向きます。

友達に「バーカ」と言います。

お手伝いはもちろんしません。自分の給食袋だけをもって歩いて行きます。

 

1年目とは打って変わっての姿となりました。

特別支援学校の先生は複数担任制です。

もう1人の先生は「2年目になって気持ちが緩んだのだろう」と考えたようでした。

 

その先生はお説教を始めました。

彼女はもっと怒りました。

最初、穏やかだった先生は「いい加減にしなさい!」とさらに怒りました。

 

こんな場合は、一歩引いて「何か理由があるんじゃないの?」と考えることをオススメします。

別ベクトルの解決方法が見えてきます。

 

感動が考え方を変える

私は「彼女は寂しいのだ」と思いました。

というのも新しい学年になってクラスには明るい性格の男の子が入ってきました。

彼はすぐにクラスの中心人物になりました。

友達や先生の意識はその子に向かっていました。

 

彼女の気持ちを考えれば、もっと先生が構うようにすればいいのかもしれません。

ですが、クラス運営に余裕はなく物理的に不可能でした。

 

私は彼女のためにコミュニケーションカードを作りました。

言葉が少ない彼女のための絵カードです。

 

ただこのカードは今までずっと取り組んできたことです。

引き継ぎの先生から「彼女はカードを使わない」という話を受けていました。

 

私の目的は「使う、使わない」ではなかったんです。

「先生はあなたのことを見ています」という意味あいです。

カードは彼女の好みに合わせてアイドルやアニメキャラを入れたものにしました。

 

彼女はカードを喜びましたが「使う」というレベルには至っていませんでした。

それでもカードは彼女が新しい話題を持ってくるたびに更新しました。

 

カードを作るのは放課後なので、その時間に作って渡す。

彼女専用のものを作ることによって「あなたのことを考えて作りました」というメッセージです。

 

しばらくして彼女は去年の彼女の姿に戻りました。

 

根拠は薄いけど

「この子は寂しいんじゃないか?」

「何か理由があるはずだ」

その科学的根拠はハッキリいってないです。

私がそう思うようにしているのは「ふざけて生きている子はいないだろう」という観測。

 

「カード渡すのは甘やかしだ」

「意味がないから渡すべきでない」

そう言われたら私は言い返せないんです。

 

今まで結構な回数、先生と論争してきましたが「それは甘やかしだ」と言われたら私の負け。

論争で勝てた試しありません。

 

怒って分からせること、正しい行動をさせること。

そうやる方法もありますが、愛情を伝える方法もあります。

 

「ここまでしてくれるんだ」という感動が人を変えることがあるんです。

 

学校教育とは全く別ベクトルの「感動が人を変える」ですが確かに存在しています。

 

小さなことで構いません。

お子さんの反発や頑固さがあったら「実は寂しいのかな?」など寄り添う発想をしてみてください。

 

例えば晩ご飯を好きなものにする、好きなお菓子を買ってくるなどで充分です。

お子さんの好みになるべく合わせてください。

「今日の晩ご飯何にするー?」と聞くだけでも響きます。

 

もっと言えば。

「この子の好きなものなんだっけ」

「なんとか喜ばせてあげよう」

そう思いやっている時点で、言葉やしぐさなど醸し出す雰囲気は柔らかくなります。

そんな気持ちで接することが無言の教育として優しさやマナーを教えています。

 

お子さんの表情は今までと変わらない場合もあります。

でも心には届いていますよ。