私は学校で先生をやっていました。
先生をしていると、必ず反抗的な子と対する場面が出てきます。
例えばこちらの意見に反論してきたり、授業に集中せず、立ち歩いたり似顔絵を描いているような子です。
そんな子に注意したら「あっかんべー」されたこともあります。
普通はここで先生は激怒するところです。
ただ私は違うのです。
私はそうした状況に出会うと「いいね!」とまず思うことにしました。
いや、全然良くないんですよ。
授業中に似顔絵書いてて注意されたら「あっかんべー」ですから。
普通の先生なら。
「何やっとんじゃ、ゴルァ(゚Д゚)」
と返すのが普通でしょう。
でも、そこで怒鳴ると試合開始のゴングが鳴ります。
学校とは「先生vs生徒」の戦場です。※そうなってしまっています
ルールを守らせる先生と守りたくない生徒の戦いです。
ただ親子関係は試合ではないですよね。
また学校でも「先生vs生徒」にならなくても済む方法はあります。
それが反抗的な態度の子には内心で「いいね!」とまず思うことです。
私は反抗的な子から「俺、先生には忠誠誓ってるし」「先生の授業は喋らんとこうと思ってる」といった言葉をもらってきました。
このノウハウを伝えることで穏やかな親子関係のきっかけになればと願っております。
反抗こそが意志だ!
先生の言うことを完璧に守って、何でも前向きにこなす子が「良い子だ」とは思いません。
むしろ目の前にそんな子がいたら心配してしまいます。
私自身含め、みんな不完全です。
先生の言うことを完璧に守れる子がいるわけがないんです。
私が生徒が反抗的なとき「いいね!」とまず思うようにしたのも、そこに理由があります。
反抗するのは当たり前ですし、その反抗こそが意志がある証拠です。
困るから怒る
繰り替えしですが、反抗的な態度だった場合「いいね!」とまず思うようにしていました。
ただ、その態度に「困ったな」とは思うのです。
例えば授業中に立ち歩かれたり、こちらの言うことを聞いてくれないと私の仕事になりません。
ですから「いいね!」と思いますが同時に「困ったなぁ」と思います。
多くの場合、先生が怒るのはこの「困ったな」によるものです。
先生は困っているから怒ってしまうのです。そして怒りから試合開始のゴングは鳴ります。
懇談で悪く言われた場合
学校の期末懇談などで「お子さんは席に座り続けることが出来ません」「指示に従わず遊んでばかりです」
「身の回りが出来てなくて大変です」など言われることがあるかもしれません。
ただそこで動揺しないでください。
それは善悪ではなく、先生の立場として困っているという話です。
懇談などで「〇〇できません」を正確に言うとこうなります。
「席に座り続けることが出来ません(だから我々は仕事にならなくて困っています)」
「指示に従わず遊んでばかりです(だから我々は仕事にならなくて困っています)」
「身の回りのことが出来ていません(だから我々は仕事にならなくて困っています)」
こう書くと先生が凄く悪い人のように思えてきます。
でも私自身もこの心理状態になったことが何度もあるんです。
実際「あっかんべー」されたときに「怒った方が早いんだろうな」と思いました。
先生である以上、授業やクラス運営を成立させなければならず「困った」と感じるのは必然です。
ただその困った感情を怒りの感情に変換するか、しないかです。
怒りにすると相手からは反発が来ます。「カーン!」とゴングが鳴って試合開始です。
試合中の先生は「教師という立場」「正しさや理屈」「それ以上の怒り」のどれかでもって当たります。
生徒は「理屈」「目を盗む」「ウソ」「集団の力」「腕力※中学生以上」などで対抗します。
それはお互いに辛いことです。
「こども大人」くらいで丁度いい
誰かの言いなりになって生きる人生は空虚です。
監獄に入ると身体の自由が失われます。
同じ意味で、完全に誰かの言いなりで生きることは心の自由を失うことです。
大人でも上司の命令を無視して隠れておやつ食べたり、休憩時間過ぎてもゆっくりするじゃないですか。
ただ大人は給料という報酬があります。子どもにはありません。
先生の言いつけを完璧に守ったとして大した意味はありません。※これが先生と生徒の悲しい仕組みです。
子どもの要素を多分に持った「こども大人」くらいで丁度いいんです。
先生に懇談などで「〇〇が出来ていません」など言われたとき、まず「いいね!うちの子!」とまず思ってみてください。
先生には「困らせてすみません」と思うことです。
その上で「先生の言うことにも一理あるな」と思うなら、お子さんに対し、改善するように働きかけるのもいいでしょう。
完璧にならないのは当たり前、反抗は自分の意志を持っている証明でもあります。
懇談などで先生からの指導があれば「いいね!」とまず思ってから、先生の話を聞いてください。
くれぐれもゴングは鳴らさないように。