子どもに元気がないとき、自分自身が前向きになりたいときに良い方法とやってはいけないことを解説します。

今回の題材は漫画のONE PIECE(ワンピース)からです。

 

前提として

私たちは普段、自分の未来を良くする方向、前向きになる理由を見て行動しています。

ただ絶望すると無意味なことをします。

他人から見れば、まだ前向きになる理由はあるのです。ただ本人には見えないのです。

 

ONE PIECE(ワンピース)の60巻でそれを象徴するエピソードがあります。

これは非常に分かりやすいのでぜひ読んでみてください。

 

まずは登場人物から

主人公ルフィです。今回の話ではルフィは兄のエースを亡くしたショックで錯乱状態になっています。

 

ルフィの仲間、ジンベエです。

ワル顔をしていますが、義理堅い性格で年の功があります。ルフィを何度も助けています。

 

兄を亡くし錯乱するルフィ

ルフィには兄のエースがいました。エースは敵に捕まり、ルフィは助けようとしますが失敗します。

エースはルフィの目の前で亡くなります。

 

手負いのルフィはジンベエに助けられ、とある島に避難しています。

ルフィは目の前で兄を亡くした事実だけを見ており、錯乱状態です。

落ち込むと誰でも「失ったものを考え続ける事」と「自責」が頭を覆います。

ルフィで言えば「エースの死」と「自分が弱いこと」この二つで頭の中が覆われています。

ルフィの行動が自責から他責に変っています。自分を責めるのを止めて、ジンベエを攻撃しています。

普段のルフィは絶対にやらない行動です。しかし自責にとらわれると誰でもそうなるのです。

ルフィのやっていることは無意味です。しかし本人は本気でやっていることに注目してください。

「錯乱している状態」は普段の自分では絶対やらないことでもやってしまうのです。

 

失ったものを数えるな

ジンベエは「失ったものではなく、今の自分に残っているものをみろ」と諭します。

この後、ルフィは離ればなれになった仲間への連絡と強くなるための修行をします。

自分に残っているものを確認し、我に返れたのです。

 

「失ったものを数えるな。残っているものを確認しろ」

ここがポイントです。この言葉で、ルフィの見ているポイントが変わったのが分かりますでしょうか。

 

このエピソードで「ジンベエがいなかったら?」と考えてみてください。

 

頭の中で何を考えているか、が大事なんです。

 

失ったものを見ていると、取り返す作業をします。それは意味がないことです。

「無いものは無い」ですから。

 

自分にまだ残っているもの、あるモノを見ると先に繋がる行動がとれます。

だから「頭の中で何を考えているか」でその先は大きく変るんです。

 

この話で言えばジンベエがいなければルフィは自傷行為を続けるか、復讐に走ったかもしれません。

ルフィが仲間の元へ帰ろうと思ったのは今あるものを見たからです。

 

出来ないこと、苦手なことの克服をオススメしない理由

私は中学校や障害のある子が通う特別支援学校(養護学校)で先生をしていました。

 

「死にたい」と弱音を吐く子や「僕は生まれてきたくなかった」という子どもたちに出会ってきました。

 

私は彼らを「僕はこれで生きて行くんだ!」と言えるくらいまでに導けたと思っています

その方法はその子の得意なことや好きなことを徹底的にやったことです。

反面、私は彼らの苦手なことの克服はほとんど手つかずでした。※一般的には逆です。

 

苦手なことの克服は気分が下がることなんです。「自分にないもの」「失ったもの」を見る行為だからです。

「死にたい」と考えている子にさせることではありません。

 

誰でもそうですが、自分の好きなことや仲間を見つけることで前向きさを取り戻していきます。

絶望から救ってくれるのは「平均かどうか」ではなく夢や希望です。

 

子ども時代というのは、夢や友人などを築く時期です。

 

そのために必要なことは自分の得意分野を知ることであり、何が好きで夢中になれるのか、です。

好きや得意を通して夢が生まれ、仲間が出来ます。

 

その夢と仲間が前に進む原動力になります。

 

自分が落ち込んでいるときにも

子どもが学校の人間関係で悩んでいたり、不登校気味になった、元気がないとき。

「自分にないもの」「自責」「後悔の念」に頭の中が覆われています。

 

そこから前に進むには「今あるもの」「得意なこと」「好きなこと」「楽しい時間」などを確認することです。

 

そんなとき、周りにいる人はどうか「ジンベエ」になってくださいね。

失ったものよりも、今あるものを確認させてあげてください。

 

落ち込んでいるときにやってはいけないのは「失ったものを数えること」です。

やるべきことは「残っているもの、今あるものの確認」です。

 

相手が落ち込んでいるときは「この人の好きなこと、得意なこと、残っているモノって何だろう?」と考えることです。

自分自身が落ち込んでいるとき「私の好きなこと、得意なこと、残っているモノって何だろう」と考えてみてください。

 

私自身も落ち込んだとき、これをやります。

すると「あ、そうか。まだ出来ることあった」という気づきが生まれます。

それが希望です。

 

落ち込んでいるときはぜひやってみてください。

「失ったものでなく、残っているもの」です。

 

それがあなたとお子さんが前向きになる原動力になります。