私は長らく先生をやっていました。

特別支援学校が一番長いですが学習塾や中学校でも経験があります。

 

その中で不登校になった子や現在進行形でいじめられそうになっている子や『悪いことはほぼやりきりました』というような子にも出会ってきました。

 

そんな経験の中から『学校行きたくない』と子どもが言ってきた場合の受け止め方をお話いたします。

 

見た目は信じない方がいい

小学校の低学年くらいであれば自分を素直に出しますが、高学年になれば隠すものです。

 

先生やっていてよく見かけたのが「見た目と内心が違う」ということです。

 

『うっさいんじゃボケ!!』と親や教師に悪態つく生徒がいました。

彼は中学3年生です。

お母さんは温厚な方ですが、お母さん相手でもお構いなしに彼は暴言を吐いていました。

 

そんな彼でも二人きりになると「親には悪いと思っている」と言うものです。

また親や先生から「それ以上やると○○○行きだ」とも言われていました※どこ行きかは伏せておきます。

 

表向きは「やれるもんならやってみろや!」と言うんですよ。

でも内心では「このままで自分は大丈夫なのかな」と将来を不安に思っています。

 

見た目は全然違うんです。

昼間に登校してきて給食だけ食べて帰ったりしています。

 

でも内心は他の子と変わらないんですよ。

photo by u p p e r l a b

 

ストレートに言う子はまずいない

不登校になった子やいじめられている子の話に「困っている状況を親に言えない」というのがあります。

『かっこ悪いから』『心配かけたくないから』といった理由で言えないのです。

 

また他人からみれば「これはいじめでしょう?」と思っても本人が認めたがらない場合もあります。

 

これは私が学習塾にいたときの話ですが、面と向かってヒドいことを言われている男の子がいました。

彼は時折、仲間外れにされたりもしています。

 

それでも本人はそれらを冗談に変えようとするんです。

「笑ってごまかす」といった感じです。

 

『自分がいじめられている』と認めたくないんですよ。

そんな彼は親に「学校行きたくない」とは絶対に言えないでしょう。

 

見た目や言葉と内心が真逆で不安がっていたり、いじめや不登校の事実も隠したいのが子どもの気持ちです。

『学校に行きたくない』と言う子はまずいません。

 

もし冗談でも言ってきたら。

本気で言っているか、大人を試している可能性があります。

「気づいてほしい」という気持ちが隠れているかもしれません。

 

むしろ『学校に行くな』と大人が言っても子どもは行くはずです。

そうしないと不安だからです。

 

言ってはいけない言葉がある

過剰反応でも甘やかしでも構いません。

子どもが「学校に行きたくない」と言ってきたり、それらしき様子を見せたら信じることです。

 

何気ない会話の中でSOSを出しているときもあります。

よくないのは「学校に行かないとダメだ」と言ってしまうこと。

 

それを一番よく分かっているのは子ども本人です。