子育て知恵袋

脳性麻痺で車椅子の青年が一人暮らしの夢を叶えた話。主体性と選択することの大切さ。

更新日:

知り合って6年ほどになる車椅子に乗る20代の知人がいます。

彼は特別支援学校へ通っていました。脳性麻痺で下肢が不自由です。何かにつかまりながらの立位姿勢はとれますが、歩行は難しく車椅子に乗っています。

 

現在は一人暮らし。家族や福祉からの特別な支援は受けておらず、日々の生活は全て一人でやりくりしています。

『将来は一人暮らしをしよう」と決意したのは中学生のとき。

そのことを周囲に話すと反対する人が多かったとのこと。それもで彼は夢を持ち続け、必要な努力をして夢を叶えています。

 

彼とは時折食事等をして交流していますが『夢を叶える才能があるなぁ』と感心しています。

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上の画像本人じゃないですよ、念のため。

 

「夢を叶える才能があるな」と述べた理由は彼は非常に主体性があるのです。

自分はどうしたいのか、何が好きなのかをよく分かっています。

 

一人暮らしの決断も周りから言われたのではなく、本人が「やろう」と決めました。

周囲の声は心配する声が多く反対する人は結構いたとのこと。

 

それでも自分の意志を曲げずに炊事、洗濯や役所への手続き等を学校在籍中に覚えました。

今は念願かなっての支援なしの一人暮らし継続中です。

立位が困難なので部屋の電灯を変えるなど物理的に不可能なことはありますが、自分で出来ることは全部やってしまいます。

photo by andy orin

photo by andy orin

 

夢を叶える才能

夢を叶えるには主体性が大切です。

「自分がどうしたいのか」という自分の気持ちがよく分かっているということです。

 

「え?自分の気持ちが分からない子っているの??」と思われるかもしれませんが、結構います。

 

悪いことばかりでもないのですが、集団に属すると自分を押し殺す場面が出てきますよね。

俗に言う『空気読めよ、お前』という風潮です。

 

空気を読むということは自分の主張は二の次にして集団に合わせるということ。

読めば読むほど自分の気持ちを確認する機会が減っていきます。

『空気を読めない人はダメだ』という風潮が自分の気持ちを分からなくさせていきます。

 

聞くところによると特に日本は空気を読むことを大事にする傾向が強いようで、個人の主張が尊ばれるアメリカなどの国では『空気読め』に値する言葉はないのだとか。

 

私は学校の先生をしていましたし、自分の気持ちが分からなくなる子は結構いると感じています。

『何がしたい?』と尋ねても返事が返ってこないのです。

 

ところが一人暮らしの夢を叶えた彼は空気を読むことが出来つつも自己主張が出来ます。

 

自己主張しながらも協調性があるので周囲の協力を得ながら、色んなことを実現させています。

私が『夢を叶える才能があるなぁ』と感じるのはそんなところなのです。

Photo by Jonathan Potts

Photo by Jonathan Potts

 

主体性を育むためには

「空気を読む」などの協調性は悪いことではないのです。

ただ夢を叶えるには主体性が大事。自分はどうしたいのかを分かっていることが重要ということ。

 

では主体性はどうすれば育まれるのか。

 

一人暮らしの彼の育った環境にヒントがあります。

本人にも聞きました。「なぜ周囲の反対がありながらも自分の意志を通せたのか」と。

 

答えは「環境のおかげだと思う」とのことでした。

「どんな環境だったの?」と聞くと

 

「自分で選ぶという経験をさせてもらっていた」

との返事でした。

 

買い物など日常生活からイベント企画までとにかく自由にで選べる経験が多かった、とのこと。

 

自分で選ぶことが主体性の始まりです。

自分で選んだ行動には達成感や自信が育まれます。

『出来た!』と強く思うのです。

誰かに言われてやったことは『こなした』と感じますが自分で選んだ行動では『出来た』と感じます。

 

例えばアルバイトは誰かに言われてやっていることなので『こなした』感が強い仕事です。

組織の末端にいる場合や部活などで新人の場合もそうですね。

 

反対に社長など組織のリーダーは自分の意志で決められることが多いので成功すると『出来た』と思うことが強いのです。

もしリーダーでありながら『こなした感』が強いなら、それは誰かに言われてやったリーダーだからでしょう。

 

「言われたからやる」と「自分で決めてやる」では外見上は同じ行動でも達成感や自信の付き方がまるで違います。

 

彼は自分で選ぶ経験を多くさせてもらい『出来た!』という実感を多く持っているのです。

だから自信があります。

 

自信があるので物事を前向きに考えます。

やらない理由よりもやる理由を考えます。だから夢へ挑戦出来るのです。

 

自分の夢であれば努力が出来ます。

 

一人暮らしの彼も何にでもマジメな性格ではないのです(失礼)

頑張りもしますが、サボりもします。

それでも彼が沢山の努力が出来たのは「一人暮らしをしたい」という自分の夢のためです。

 

ちなみに彼自身『勉強はあんまりしてない』と言っていましたが、そこには夢がないからでしょう。

ただ高校受験の際の勉強は頑張ったとのこと。

「なんで?」と尋ねると「成績を上げて入りたいクラスがあった」とのことでした。

 

夢を叶える力をつけてほしいなら、日常の細かいところから『選ぶ経験』を用意してみてください。

それは「自分はどうしたいのか、どうありたいのか」を確認する作業なのです。

photo by Mario Bollini

photo by Mario Bollini

dai

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