悪気はないんですよ
目に映るものに何でも反応したり、雑多な場所へ行くと耳をふさいだりする子っていませんか。
そういうお子さんは情報を正確にとらえるのが苦手なお子さんです。
視覚の例でいえばテーブルの上に、けん玉、折り紙、こま回しがあったとします。
先生が「けん玉しましょう」といえば通常であればけん玉に意識を集中させますが、自閉症の子はけん玉に意識は向くものの他のモノにも同様に気がいってしまいます。目に映るものからどれが自分にとって必要な情報なのかの判断が苦手なのです。ゆえに気がつけば一人だけ折り紙をしていたりします。
一見ふざけているように見えますが、本人に悪気はありません。
自閉症の子どもは一見して障がいが目に見えないため、健常者の感覚を当てはめてしまいがちですが、子どもは真剣です。
・・・話が脱線しますが、私は長年障がいのある子どもと関わってきましたが、何度のこの失敗を繰り返したことか。
見た目ふざけている感じ、だらけている様子、計算しているんじゃないか、と思えるようなことでも彼らから言わせれば真剣にとった行動の結果だったります。「子どもは真剣。信じていい」というのが私の経験則です。
これは別に道徳的な意味で言っているのではなく、「そういう視線で見た方が正しい実態が見えるから」そうしています。
長年の経験からです。よろしければ実践してみてください。
すみません、話戻します。
自閉症の子の中には、情報を正確に選び取るのが苦手な子がいます。
先ほどは視覚の例でしたが、聴覚でも同様で、色んな音が混ざっている雑多な場所を避けたがるの子がいます。
そうした場合避けたいのは、「ダメ、ここにいなさい」という指示です。
子どもは決してふざけているのではありません。場の状況に応じた行動をとるのが苦手なのが自閉症の子の特徴ですが、勝手な行動をとるのは「わがままだから」ではなく、「○○が怖いから」「不安だから」「状況理解が難しいから」という理由で捉えた方が結果的に良い結果をうみだします。
通常は色んな音が入ってきても、自分にとって必要な音だけが聞こえるのですが、自閉症の子の中にはどれが自分にとって必要な音かが分からず、全てが同じ音量で聞こえます。
・・・想像するだけでも、ストレスが溜まりそうですね。
イヤーマフってなに??
イヤーマフとはヘッドフォンのようなものです。自閉症の子で頭に着けている人を見たことないでしょうか。
画像で言えばこちらです。
イヤーマフというのは、いわば「大きい耳栓」ですね。ヘッドフォンはコードがついていて、音楽が聞こえますがイヤーマフは聞こえません。
元々は工業用の用途で作られたものです。工事現場では重機を使うと騒音がしますが、それを軽減するためなどに使用されています。
工業用なので効果はあります。私も試しで使ったことありますが、確かに雑音は治まります。お値段は1000円からありますが、見かけるのが多いのは3000円代のものです。
イヤーマフをしてみての効果は?
結論から言いますと人によります。
つけるようにしてから落ち着いた、という人で必需品になっている人や音過敏だけど全くつけようとしない人もいます。
出来れば初めは誰かから借りてみてから購入するかどうかを決めるのがいいでしょう。