子どもにもどろう
相談者のNさんのお話してきました。
「自分はやりたいことが見つからないんです」
「自分の意見を言える人はスゴいと思います」
Nさんは「意見が言えるあの人と自分は違う」と感じているように思いました。
「あの人は特別。自分は違う。一生このままだ」
言葉の端々から、そんな気持ちを感じました。
「子どもの頃は、もっと自分を出せたのに今は難しくなってきた」
そうもおっしゃっていました。
人間の心理にはメカニズムがあります。
「あの人は特別だ。自分はそれ以下だ」
こう考えてしまうこと分かります。心理的に落ちこむとこの状態になります。
「自分の意見が言える」
「やりたいことが見つかる」
この段階は誰でも到達できます。
私は子どものころ、失敗も世間体も関係なく気持ちや想いを出していました。
祖母が「日が暮れるねぇ」といったとき「お日様が何をくれるの?」と聞き返したのを覚えています。
私がこのサイトで話しているのは「子ども時代への戻り方」です。
大人になったら、もうあの頃には戻れないのか。
そうではなく、ちゃんとメカニズムがあり、一定の方法を辿れば大人の感覚を持ちつつも子ども時代に戻れます。
Nさんは「高校の頃が一番よかったな。あの頃に戻りたい」とおっしゃっていました。
職場は最近マシになったものの、ストレスが高いそうです。
仲の良い友人はいるものの、以前より会える回数は減っています。
家での過ごしは、家族仲が良くなくストレスを感じることが多々ある、とのことでした。
Nさんはご両親と一緒に住んでいます。
詳細を聞いていけば、お父さんとの喧嘩が絶えないようでした。
「自分の意見が言える人は特別だ」
実はこのような人でも、過度のストレスを受ければNさん同様になります。
人はそんなに変わらないんです。
Nさんとはその日、6時間あまりずっと話を伺っていました。
私アラフォーの中年男ですが、こんなときは聖母マリア様にでもなったような気持ちで話を聞いています。
このような状態を作るとNさんは「高校時代の気持ちに戻りたい」「意見が言えるようになりたい」など言えるようになっていきます。
掘り返していくと、日常はひたすら癒やしを求めている心境のようです。
お家が癒やしの場になっていないことが最大の原因です。
自分の状況をよくしたいなら、人間関係の整理です。
Nさんは周りの状況を良く見ていて、控えめな方です。
嫌いな人の意見にも耳を傾けて「そんな見方もあるか」と頷いています。
このときないがしろにしてしまうのは自分の気持ちです。
Nさんの課題は「嫌いな人を嫌いと認識出来ているか」だと思いました。
子ども時代であれば嫌いな人は嫌いと言い、好きな人には抱きついていきます。
「自分のやりたいことが見つからない」
「気持ちを言えない」
そんな状況であれば、人間関係の整理を一考してみてください。
嫌いな人への過度のいいとこ探し、みんな仲良くするために自分への抑圧。
やり過ぎはよくありません。
嫌いなものは嫌いと思う。
それだけでも心の足かせが取れるような感覚になるでしょう。
そうなると不安や怖さも湧いてきます。
それがいいんです。
その不安や怖さは良い意味でストッパーになってくれます。
私達は大人になりました。
もう完璧な子ども時代には戻れませんが、子ども時代の感覚を操ることが出来るんです。
あの頃はやりたいことがいっぱいあって、気持ちが言えていました。
既に出来ていたのだから、また出来ます。
嫌いなものは嫌いでいいんです。