学級形式についてのお勉強です
特別支援学級、通級指導、特別支援学校、そして交流について書いていきます。
悩み多き就学相談の時期に、みなさんのお役に立てれば何よりです。
特別支援学級ってなに?
地域にある学校に設けられたクラスのことです。地域にある学校というのは障がいのない子が通う小学校や中学校のことです。
特別支援学級は障がいを持った子どもたちで編成されています。
1クラスは8人ですが、障がいのある児童生徒数により変化します。
規模の小さい学校では4人とか、少人数である場合もあります。担任の先生の数は児童生徒数にもよりますが、1名担任のこともあります。余談ですが1名担任のクラスはかなり大変なことが多いようです。
知的障がいを持つ子どもの場合、国語、算数などの教科授業では特別支援学級で行うことが多いです。
ちなみに「知的障がいのある子の教科学習は必ず支援学級になる」というわけではありません。
ただ全体の傾向として学年が上がれば上がるほどそうなる傾向はあります。
通級指導教室ってなに?
こちらも地域にある学校に設けられたクラスです。
国語や算数などの教科学習は通常学級で勉強していますが、障がいに応じた勉強をする場合は特別指導教室で勉強します。
当然ですが特別支援学級の児童生徒や後述の特別支援学校の児童生徒は通えません。
言語障害・弱視・難聴、学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)の子が対象です。
障がいの状態は軽度の児童生徒が多いです。
普段は通常学級で学び、必要な場合は指導教室で障がいに応じた勉強が出来るので良いことづくめのように思えますが、通級指導教室を設置していない学校もあります。
その理由は様々ですが、専門性の高い教員を配置出来ないという理由があります。
そのような場合、近くにある特別支援学校に通って障がいに応じた学習を受けることも出来ます。
また通級指導教室を嫌がる子どももいます。
仕組みとしては良い特別指導教室ですが、実際はなかなか大変なようです。
特別支援学校ってなに?
障がいのある子だけで編成されている学校です。
クラス編成は8人ですが、学校によっては6人や3人といった場合もあります。
担任の先生の数は2人から4人、5人といった場合もあり複数担任のことが多いです。
「特別支援学校は手厚くみてもらえる」という保護者の方の意見は聞かれるところですが、この複数担任制によるところが大きいでしょう。
特別支援学校には「自立活動」という独自の授業が設けられています。
この時間は「自立するために必要な力を身に着けるための勉強であり、教科書的に言えば「障害にもとづく困難を克服・改善する時間」です。より具体的に言うと、車椅子に乗る子が歩行訓練をしたりするような時間です。
障害の重い子であれば食べること自体が勉強であり、この時間帯に何らかの食事をすることもあり、その子に合った授業内容が展開されます。
ただ取り組みは学校によって違います。「期待していたのにガッカリ」といったことも聞く話です。就学相談のときに聞いておく方がいいでしょう
通常学級や地域の学校との交流について
通常学級や地域の学校との交流を望まれる保護者の方は多くおられます。
地域の学校に通う特別支援学級の場合は、教室は違えど毎日顔を合わせますし、給食や昼休み、各行事では頻繁に通常学級と交流しますのでさほど心配されることないでしょう。
特別支援学級に遊びに行きたがる子どももいますしね。
課題は特別支援学校での交流です。これは学校によって取り組みがさまざまです。
私の知る限りですが、毎週のように行く子どももいれば、学期に1回、担任の先生と一緒に行く学校もあれば行かない学校もあります。
「地域の学校とも交流してほしい」と願う保護者の方は就学相談の際、必ず質問されることをおススメします。
質問されたところで交流の回数が増えたり、ということは学校の仕組み上可能性としては低いですが、先に知っておいた方が気持ちとしてゆとりが持てます。「交流の内容が期待していたのと違った」という苦情は結構ありますので。
もう一度就学相談についての関連記事を載せておきます。車椅子の子を想定していますが、そうでない子どもにも通じている内容です。