「無理」って言ってや
メール相談受けている方から、ご報告がありました。
「上司の要望に『出来ないです』と言えました」とのことです。
この方をBさんとします。子育て中のお母さんです。
Bさんは相手の立場や気持ちを尊重できる方です。
ただ「出来ません」「嫌です」と断るのが得意ではないとのことでした。
相手の笑顔に自分も喜べる、話を聞くのが好きなど、Bさんには優しさがあります。
ただ悪意ある人は、その優しさにつけ込んでくることがあるそうです。
配慮深いBさんは「事情あってのことかもしれない」と相手の立場を考えて断れないとのことでした。
今回、Bさんが変われたのは、私とのメール相談がきっかけとおっしゃってくださいました。
「嫌なものは嫌でいいですよ」
私はBさんにそう書きました。
その内容が心に残っており「無理って言おう!」と決断してくださったそうです。
「嫌なものは嫌」
「無理なものは無理」
率直さはBさんのため、お子さんや旦那さんのためになります。
そしてもう一つ。
率直さは周り回ってみんなのためにもなります。
私は大学時代にアメリカンフットボールをしていました。
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phoyo by Johann Schwarz
4回生の先輩らは「無理なものは無理って言ってや」が口癖でした。
私はこれを先輩の親切心だと思っていました。
私は4回生になり、チームを仕切るポジションになりました。
ある試合で負けました。
試合のビデオ録画を何回も見直しました。
「なんでこの試合負けたのか?」をハッキリさせたかったのです。
繰り返し観るうちに相手側の意図が見えました。
ある選手が弱点になっており、執拗に狙われていました。
「無理なら無理といってもらわないとまた負ける」
そう理解して、次の試合では「無理なら無理って言ってや」と優しい口調で声かけをしました。
恥ずかしながら選手のためではなく、全体のためです。
ただ結果は良好でした。
「自分無理ッス」という自己申告が生まれ「じゃあこうしよう」とフォローが生まれました。
最近の話題の政治ニュースでは「ないものがあった」と嘘が誠になったり、本当が嘘になったりしています。
関わった者、全員が率直さを持てばどうでしょうか。
「あるものはある」「ないものはない」と言えば問題はすぐに解決です。
「自分が我慢すれば丸く治まるんじゃないか」
この発想は諸刃の剣です。
表側をみれば丸く治まった様に見えます。
その裏側では一人が問題を抱え込んでいるのが実際です。
最良の解決は問題をみんなでシェアし合うことです。
毒を吐きますが、一人に問題を押しつける上司は無能でしょう。
問題はシェアする上司の方が有能です。
悩みに悩んだら率直さを意識してみてください。
「なんだ、これで良かったんだ」
そう思えることでしょう。