いじめは不幸です。いじめを受ける側もいじめをする側も不幸です。

「うちの子に限ってまさか人をいじめるなんて・・・」といった事態は避けたいですよね。

 

ただそれはあり得ない事態でもないんです。どんな子にでも攻撃性はあって、優越感を感じたい気持ちをはあります。

 

・・・「子ども」と限定するのもおかしいですね。

どんな人にでも攻撃性はあって、優越感を感じたい気持ちはあります。

 

それはあなたにも、私にもです。

結論を先に言いますと正義よりも愛を教えてください。正義ばかり教えるといじめっ子になる可能性があります。

 

例えば「これが出来ないとダメだ」と考えるのも正義です。

出来ないとダメだ=出来ない人は悪だ、となるからです。

 

正しいお母さんではなく、やさしいお母さんになることを意識してください。

 

子は親の鏡です。

正義を振りかざす正しいお母さんになると”悪を攻撃する子ども”になるからです。

 

子どもをいじめの加害者にさせないために

漫画「リアル」を題材にどういった状況下を説明します。

主人公に高橋久信(たかはしひさのぶ)という高校生がいます。

彼は典型的ないじめっ子です。

高橋はバスケ部ですが自分になびかない後輩を「空気(エア)」のように無視します。

 

失敗した後輩を丸坊主にして、ボールと見立てて”遊びます”。

高橋は交通事故により入院します。

見舞いに来たバスケ部を「空気がけがれた」として追い返します。

「後輩を無視する」「人間扱いしない」「善意を悪意とみたてる」

これらは高橋にとっては正しい行動なんです。そして悪を攻撃します。

 

高橋のお母さんはどんな人?

問題の多い高橋ですが、お母さんは一見どこにでもいるようなお母さんです。

「あの子のためならがんばらないと」「そう考えると苦じゃなくなる」と仕事に励んでいます。

悪い人では決してないですよね。

 

ただ高橋のお母さんは正しいお母さんなんです。

成績や学歴、収入といったみんなが正しいと思うものを求めるのです。

 

子どもからすればそれは「優秀でないとあなたはダメだ」という条件を設けています。

 

高橋は交通事故により入院しましたが歩けない身体になり、障害が残るようになりました。

高校は留年が確定です。高橋は学校に戻る気がありません。

 

高橋の母は「復学しないとダメだ」「大学へ行くべきだ」と暗に条件をつけてきます。

 

高橋に母に「復学する気がない」と伝えます。そんな高橋に母親は絶望します。

気落ちした母親は自宅で高橋の成績表を燃やしました。

「高校やめるなんていうから駄目。戻るようにいったの」

理屈では正しいんですけどね。ただこれは言ってはいけない言葉であり、発想です。

 

「高校をやめるあなたを私は愛さない」という正しさを求めるメッセージです。

 

「正しいお母さん」は正しくあるために世間からの評価や地位や名声を意識します。

 

評価を気にしたり、他人の目を気にするのは誰にでもあります。私にもあります。

ただそれを相手に突きつけるのは問題なのです。

 

「これが出来ないとあなたはダメなんだ」と子どもに条件をつけることは「出来ないの僕はダメなんだ」と教えることです。

そして条件を満たさない人を「相手は間違っている」としていじめるのです。

 

やさしいお母さんはこう考える

正しさよりも愛です。大事なのは。

ジョンレノンの「all you nead is love」です。

 

やさしいお母さんは「これが出来ないと私はあなたを認めない」とは思いません。

 

「高校中退しようが、障害を持とうがあなたはあなただから」と考えます。

こどもをありのままに受け止める気持ち。「無条件の愛」というものです。

 

子育てのポイントは正義よりも愛を大事にすることなんです。

 

誰でも無条件の愛で自分を受け止めて欲しいじゃないですか。だからまずそれなんです。

愛があっての正義です。逆はないんです。

 

いじめは受ける側もする側も不幸です。誰も何も幸せにならないものです。

 

正しさは学校でうんと教えてもらえます。

お家では正しさよりも子どもに愛情を注ぐやさしいお母さんになることを意識してください。

 

そして。

 

子は親の鏡です。

子どもを受け止めるにはまず自分から。

 

やさしいお母さんはどこかの誰かのようになるのではなく「私は私のままでいい」と思っています。

 

「でも私は違うんじゃないか。ダメなお母さんなんじゃないか」

 

そんな風に思わないでいいんです。

子どもを産んでご飯を用意して、服を着せたり、どこかへお出かけしたり。それでもうあなたは立派なお母さんです。

どうぞ忘れないでくださいね。