私は以前は特別支援学校で先生をやっておりまして。

 

日常から卒業生に出くわすことがあります。

駅で出会うこともあれば、相手が自転車に乗っているときもありますし、歩いていることも。

 

先生やっていたときの私は毎日ジャージでした。今は私服です。

 

ゆえに分からないのか、こちらから挨拶したら不審がられるのが玉にきず。

でも挨拶しなかったら「なんで無視したん?」と言われるから困ったもの。

一体どうすればいいのか。

 

仕事はあくまでも仕事

私は元々「卒業後から逆算して今何をすべきか」を考える先生でした。

よって卒業生が何を楽しみにしているかに興味があって先生時代から情報収集しています。

 

まず言えるのは。

 

仕事は楽しみになりません。

 

いや楽しみにするのは可能なんですが『自分はこれがしたい!』と強烈な想いがないと難しいものです。

 

例えば企業就労して月15万円近くの給料を貰っている子(成人ですが)であっても仕事は生きがいや楽しみにはなりません。

パナソニックやカルビーなど大手企業にバリバリに働こうと、障害者作業所でゆっくり働こうと仕事は仕事。

 

「仕事さえあればいい」という卒業生に会ったことがないので間違いないでしょう。

 

この辺りは多くの働きながら生活している人は同じ感覚ですよね。

仕事で生きがいを感じるのはなかなか難しいところです。

少なくとも「仕事があればOK」なんて人はまずいません。

photo by ♪ Daphne ♪

卒業生は何を楽しみにしているのか

『人と関わることが好き』

という子らはやっぱり友人と遊ぶことが楽しみのようです。

 

それぞれに集まって遊んでいます。

 

軽度の知的障害や発達障害の子らは自分たちで連絡とりあってファミレスで集まって旅行の企画などをしています。

学力が小学校3,4年生くらいの子は電車やバス、自転車を使って移動し、休日に開かれている地域の集まりに参加しています。もちろん友達とも自発的に集まって遊んでいます。

 

身体障害ある子や一人で出歩くのが難しい場合は、ヘルパーさん同行で行動しています。

車椅子に乗る男女でヘルパーさん連れて週末デートする人もいますよ。

 

特別支援学校の良いところ

特別支援学校の高等部になると「進路後の生活につなげる意識」をもたれることをオススメします。

 

というのも高等部になれば「この子は将来どんな生活を送るのだろうか」というのが想定出来るようになってくるはず。

そこから逆算して「では何を学ぼうか」と考えるわけです。

 

『人と関わるのが好き』

 

という子なら『一人で電車やバスに乗れるか』という事にぜひ取り組んでみてください。

卒業後の生活をみると『自分で連絡取り合って友達に会いに行けるかどうか』は分岐点です。

 

ぶっちゃけ教科学習なんかどうでもいいです。

 

世の中にいる多くの高校生がこの時期学んだこと忘れて社会人になり、全く生活に支障がきたしておりません。

特別支援学校高等部も同様。教科学習は将来使いません。※進学する場合は別ですが

 

友達との関わりが好きなら『一人で移動出来るか』です。

 

そしてこの辺りは特別支援学校の優れているな、と思うところで高等部であれば「一人で移動するためのノウハウ」を先生が持っているはず。

 

入学の際は相談してみるのをオススメします。

そしてもう一つ安全のために家庭で出来ることがあります。

 

安全のために家庭で出来ること

この辺りは支援学校だろうと、そうでなかろうと関係ない話。

 

『変な誘いを断れるか』

 

が非常に大事です。

女の子はもちろんですが男の子もですよ。お金や異性がらみで勧誘を受ける場合はあります。

 

あまり大きな声では言えませんが、ちょっと変わった福祉関係者もいますから。

一人で行動するようになったら、何かしらの勧誘は受けやすいものです。

 

ここら辺もみなさん経験ないですか??

私自身も20代前半くらいまでは変な勧誘がありました。人生経験が浅いので狙われるのでしょう。

○○○商法とか受けるはずです。

 

それも障害の度合いとか関係ないんですよ。

んーこのブログ知人も読んでいるので詳しくは書けませんが。とにかくあるのです。

 

断るのって結構大変だから

とはいえ『変な誘いを断れ』は難しいもの。

『断るという決断』というのは非常にエネルギーが必要です。

 

例えば服屋行って店員がついて長時間話したら「断ってはマズイではないか」という気分になりませんか。

それと同じで例えば喫茶店に呼ばれてご飯代おごって、また会ってということを繰り返して勧誘する方法もあるくらい。

 

そういうことから巻き込まれないために言えるのは『嫌なもの嫌』といっていい、ということです。

 

人からなんか言われて『イヤだな』と思ったら断れ、です。

流されちゃダメですよという話。

 

自分で考える機会を

周囲の意見に流されない、というのは自分で考える子です。

自分の気持ちを優先にしつつ、周りの状況に合わせる。これが理想。

 

そして私の感覚では障害のある子は小さいころから大人や先生に囲まれて周りに合わせることは出来ているはず。

 

次に必要なのは自分を優先にして考える力です。

 

「自分はどうしたいのか」「自分はどうありたいのか」ということですね。

 

そのためには

 

周囲にいる人間(親や先生)は口出しは減らすこと

本人の選択を増やすこと、待つこと

 

ここらが初めの一歩です。

自分の気持ちを知る意味では周囲の意見は「雑音」なんです。

 

服屋でも何でも「口うるさいショップ店員」がついたら煩わしいでしょう。

 

納得いく買い物をしたい場合は店員はむしろ邪魔。

「自分は何が欲しいのか」「何を必要としているのか」という自身のニーズを確認しながら買い物するのが一番です。

 

ただ服や家電買うのは簡単ですが、日常生活で自分のニーズを探るのは難しいのです。

先ほども言いましたが、相手に面と向かって断るのってエネルギーいりますから。

流される方が楽なんです。

 

断るには自分の気持ちを知ることです。

 

口出しは減らすこと

本人の選択を増やすこと、待つこと

 

を日常場面で増やしてみてください。

 

そして取り返しのつかないことでもなければその選択を尊重してください。

「自分の意見を尊重される」という経験ですね。やがて判断力が備わってきますよ。