私は、普段このブログ上で先生を否定的な表現で書いていますが、先生不信を煽りたいわけではないんです。

むしろ逆で先生とはなるべく信頼関係を築いておく方がいいんです。

 

ただ読んでいる人にはとても分かりにくいと思うので、一度まとめて書いておきます。

 

先生と親子では目的が違う

私は以前は特別支援学校で先生をやっていました。

中学校や学習塾にいたこともあります。

10年以上先生という立場でしたが、どうにも周りにいる先生とは合わないので困っていました。

 

『なんで俺はこうも周りと合わないのか』をずっと考えていました。

 

出てきた答えは、私は『どうすればこの子たちは幸せになるんだろう』と考える傾向が強いのだと思います。

比べて他の先生は『どうすればこの子は出来ないことが出来るようになるだろう』と考えているのだと思います。

 

目指しているものが最初から違うようです。

 

こう書くと学校の先生が悪いように思われるかもしれませんが、そうではないのです。

先生の本分は出来ること増やすことです。それが役割です。

 

例えば警察は犯罪を取り締まることが本分です。

八百屋は野菜を売るのが仕事。

各職業の人がそれぞれ本分を果たすことで世の中は良くなりますよね。

 

学校の先生が出来ることを増やそうとすることで、将来の可能性が広がる子は確実にいます。だから良いのです。

 

学校には色んな先生がいるべきと思います。※だから私のような人がいてもいいんですよ(笑)

 

例えばみんなに人気の優しくて明るい先生が絶対良いわけではないんです。

一部の生徒からは超苦手意識を持たれていたりもあるんですよ。

 

理由はその先生は冗談をよく言うのですが、意味が分からず、また自分のことを言われて傷つくそうです。

学校では冗談が好きな子の方が多いものですが、冗談が分からない子だっているわけです。

 

クラスの8割、9割がその先生が好きなのですが自分はどうにも馴染めない。

でも馴染めない空気を出すとクラスで浮いてしまう。

だから好きなふりをしないといけない。

そんな悩みをもつ子どももいます。

 

世の中のアンケートみても100%支持されるような人はまぁいないですよね。

どれだけ人気の人でも必ずアンチがいます。

 

先生も同様です。誰にでも良い影響を与える先生はいません。

 

いわば私のことが大嫌いな生徒もいたでしょう。

学校の先生が全員私のような人間でもそれはそれで困ってしまうはずです。

 

なので極端な性格でない限りは色んな先生がいていいのだと思います。

むしろ同じようなタイプの先生ばかりの方が問題です。

元不良の先生とかいてもいいんじゃないかな、と思うところ。

 

 

私は『どうすればこの子は幸せになるんだろう』を考えていました。

この感覚は親、保護者、そして本人の気持ちに近いのだと思います。

 

そして、その感覚でもって学校や学校の先生を見てみます。

 

なぜ融通が利かないのか、

なぜ子どもの欠点ばかり指摘するのか

なぜ見栄えにこだわるのか

なぜみんな一緒なことをさせようとするのか

 

なんだか非常に納得のいかないことだらけのような気がしますorz

 

それでも私は『学校の先生とは仲良くやっておいた方がいいですよ』と考えています。

これは障害ある子が通う特別支援学校、特別支援学級、地域の学校でも同様です。

 

私は学校の内部にいたので分かることがあるのです。

 

今現在「おいおい、この先生大丈夫か」と思っている人でも、仲良くやることに納得出来れば意義を見いだせるはずです。

 

ロボット化する先生

学校にいるといわゆるモンスターペアレント的な保護者さんもやはりいるものです。

怒鳴り散らして『教育委員会に訴えるぞ!』と脅すなどして自分の意見を通そうとします。

 

実際に私もそういう人の対応をしたことがあります。

現場にも来てこちらのやることを事細かくチェックして、ガンガンに否定してきます。

 

結局はその保護者さん通りに先生は動くのですが、超絶なクレーマーの前では先生はロボットになってしまうのです。

photo by Luís Leão

 

ロボットってプログラムされたことしか行動しないですよね。

例えば『前に進め』とプログラムされると、先に落とし穴が見えても進み続けて穴に落っこちます。

 

先生も同じなんです。

 

プログラム=保護者の要望です。

超絶なクレーマーを前にすると先生はプログラムされたことしか行動しなくなります。

 

『もっとこうした方がいい』『このままだとマズイのでは』と思えても、クレームをつけられるのが嫌なのでそのまま突き進んでしまうということです。

 

モンスターペアレンツな保護者さんがよろしくないのはもう一つ理由があります。

 

誰でもそうですが、悪意をもって接してこれば、誰でも悪意でももって返すものです。

 

例えるなら、敵対勢力をつくって自分を上げていくタイプの政治家なり有名人なりいるじゃないですか。

まぁ誰とは言いませんが、最近流行っているかのようにいます。

 

ああいった敵を作って自分の人気を上げていくタイプの政治家及び有名人は最初は良くても、結局は中途半端な結果や末路をたどっているとは思いませんか。

 

なぜかというと敵対された側が足を引っ張るからです。

当たり前ですよね。

名指しで「あいつらはダメだ」「抵抗勢力だ」と言われた側が味方をするわけがありません。

 

結局はどこかの場面で足を引っ張られて0かマイナスの状態になるんです。

 

これはモンスターペアレントな保護者も同様です。

 

最初は自分の要望が通すことが出来ます。

でも先生だって人間です。もっと言えば公務員。

 

仕事に手を抜いたって給料が下がるわけでもありません。

やろうと思えばいくらでも足を引っ張れるのです。※それはそれで問題なんですが・・・

 

得したように思えて、モンスターペアレントな親御さんのやったことのツケは子ども本人、家族に回っていくことになります。

 

無償で頑張る先生もいます

思いっきり変な先生では別ですよ。

基本味方を増やす方が学校の世界では子どものためになります。

具体的な例で2,3例話します。

 

非常に無口・・というか無愛想な先生がいました。

昭和の頑固親父といった風貌でたぶん保護者や生徒ウケは悪いんじゃないかな、と思います(失礼)

 

その先生目立たないのですが、実は裏では色んな作業所の祭りやイベントに参加しボランティアをしています。

なぜかというと自分の受け持つ子どもたちのためです。

作業所は子どもたちの進路先となるところ。そこの収益に貢献しようという想いと自分の顔を売るためだそうです。

 

もちろんそんなことをする義務はないんですよ。

ただ必要だと思うからやっているそうです。

 

電動車椅子に乗る人たちのスポーツチームを運営している先生がいます。

チームの創設に携わり、休日を使って練習を手伝っています。

なぜそんなことをするのかというと『スポーツを楽しんでいる元生徒たちを見たいから』とのことでした。

 

卒業したあとも生徒の様子を見に行くある先生がいます。

見に行くのは数々の問題を起こした生徒たち。それも顔を見せる程度ではないんです。

家庭基板が不安定で卒業しても、なかなか安定して職につけない子には一緒に職を探したりと仕事同様の支援をしています。

学校側としては卒業生に対して手厚すぎるので『出来ればやめるように』といわれるくらい。

だから、その先生はあくまでも個人の活動としてやっています。かかる費用などはもちろん自腹ですよ。

 

こういった活動は目立ちません。

というよりも目立つと他の生徒の手前や学校側の体裁もあるため表には出にくいのです。

photo by Mike Seyfang

 

先生を動かすものは何なのか

これら先生を動かしているのは感情です。

その生徒が好きで心配だからやっているのです。理屈ではない部分です。

 

この理屈では部分がポイントなんです。

学校では味方を増やす方が絶対良い、と私が思う根拠です。

 

モンスターペアレンツ的な行動は一見得した行動に見えますが最終的には0かマイナスになります。

先生は仕事にいくらでも手を抜けるし、逃げ道があるからです。

 

逆に言えば仕事に一所懸命になるには義務や理屈ではなく感情の部分なんです。

 

時にこの情は卒業後の支援という完全な奉仕の行為を起こさせるまでに先生を動かします。

 

何気ない日常の業務でも『まぁこの子のためならやるか』と思ってもう一踏ん張りすることは山ほどあるんですよ。

ただそれは表向きには出来ないので目立たないのです。

 

先生の言うこと、やることに納得いかないことあると思います。

でも、それも必然性のあることもあるんですよ。

 

私の感覚の話ですが先生の7割、8割は普通か良い人です。

残り2割ほどが変わった先生です。

 

腹の立つこともあるでしょうが、基本先生とは仲良くしよう、と心がけてみてください。

目立たないところで支援してくれますよ、きっと。