学校の先生は時に味方で、ときに厄介です。

というのも教育の専門家なのでやってることの良し悪しがよく分からない。

似た例でいうと、医者の診断やパソコン買うときと同様です。

 

医者の診察の成否は素人では分かりにくいですし、パソコン買うとき店員の言うがままになるのが多いもの。

リアルな私の実体験ですが、先日2つの店舗に車検の見積もり出したら7万円の差がありました。

内容比較したら高い店の見積もりはぼったくり確定でした。でもこれは比べてみて初めて分かるもの。

 

ほとんどの場合、素人目には専門家のやり方の良し悪しは分かりにくいものです。

 

私は以前は特別支援学校で先生やっていました。いわばお子さんや保護者の方が「ぼったくり」に合わないようアドバイスいたします。

今回は「新年度、合わない子と同じクラスになった場合の対処法」のお話です。

 

結局は学校も人間関係

「嫌われる勇気」のアドラー心理学でもありましたが、学校の良し悪しも結局は人間関係と考えて間違いないです。

例えば最初は嫌々で特別支援学校に入ってきた子でも、そこで友達を見つければ「ここに入学出来て良かった」と卒業式に言ってくれます。

 

反対の例もあります。

特別支援学校から地域の小学校の支援学級へ転校した軽度の知的障害ある子がいました。

その子は支援学校では勉強も運動でも出来て「物足りないのではないか」ということで小学校へ転校しました。

転校しても確かに勉強や運動の力は小学校でも問題ないレベル。

 

しかし対人関係が苦手だったんです。自信を失って特別支援学校に戻ってきました。

特別支援学校に戻り自分のペースで過ごすことで心理的に回復しました。

「あ、吹っ切れたな」と思えるまで、3年以上の時間がかかっています。

 

大人も子どもも人間関係で充実度が変わる、というのは同じです。

よって新年度になって仲の悪い子と再び同じクラスになった場合はやっぱり注意が必要なんです。

 

ところが学校の先生は生徒同士の仲が悪くトラブルにまで発展すると決まった対応をとります。

それは「仲良くさせる」ということ。

 

通常大人同士で相手と合わないなら「距離をおけば?」とアドバイスする方向がほとんどでしょう。

先生同士も仲が悪ければ職員室では距離を置いています。

 

でも子どもらには「仲良くしましょう」と言います。

もちろん先生にもよりますが「仲良くしましょう」が”定番”となっています。

 

仲が悪くなると先生はこう言うはず

生徒同士の仲が悪くなると多くの先生は「仲良くしましょう」という方向に持っていきます。

 

お互いの良い部分を認め合うことや話し合いで解決させるなど。具体的な方法は違えど「仲良くが良いことだ」という方向性は変わりません。

 

・・・どうでしょうか。

私は先生やっていて色んな場面を見てきましたが。

 

「話し合いで仲良くなれた」なんてことはありますか?

 

「100%無理」とは言いません。

私自身、中学生のときクラスでいじめが発生していました。そのいじめは先生が間に入っての話しあいで終息していました。

でもそれは先生が身体をはってかなりのレベルで生徒の間に入りこんでいったんです。

 

どういう経緯かは知りませんが、何ヶ月もかけて話し合いがあって、保護者とも本人とも徹底的にやりあっていました。

つまり本音でぶつかってたんですよ。

裁判のように「生徒を別室に呼び出してどっちが正しいかをジャッジして終わり」ではないのです。

 

大概は形だけで終わるはず

生徒同士が仲が悪くなって喧嘩したり、どちらかが攻撃されたらおそらくは先生はこう言ってくるはずです。

「本人同士で話し合いました。結果これから仲良くする方向でまとまりました」

 

・・・どうでしょうか。

話し合いを経ての帰宅後のお子さんの様子は納得していない状況ではないでしょうか??

 

だって話し合いで「嫌いだったものを好きになれた。もう気にしない」なんてありえますか?

 

それが出来たら人類はとっくに平和になっています。

 

合わせる努力ではなく距離を置く努力を

合わない人でも前向きに考えて仲良くなろうと頑張る

素晴らしい考えではありますが現実的ではありません。

 

むしろ合わないものを無理矢理合わせようとして破綻が来ているのが学校です。それは生徒も先生も同様。

合わないものは合わないんです。

それは誰だって一緒です。どんな聖人君子でも「あ、こいつは合わねーわ」という人はいるでしょう。

 

合わないものは合いません。

人から言われて変われるものでもありません。

 

新年度になって仲の悪い子、どうにも合わない子と同じクラスになった場合は相手と距離を置くことの大事さを教えてください。

良くないのは「自分の気持ちを押し殺して仲良くする」ということです。これは大人に置き換えたら分かるはず。

喫茶店や居酒屋でもみんな愚痴こぼすじゃないですか。内容のほとんどは「嫌いな誰か」の話題です。

でもみんな仕事だからまだやれているんです。

 

子どもは給料をもらえるわけでもなく、合わない関係を続けています。

それは一体どれほどのストレスか。

 

合わない子とは距離を置く事を教えてください。

そちらを覚える方がこれからの人生を考えてもよっぽど役に立ちますから。