何だかネットや有識者には『金儲け主義』『素人集団』と叩かれている放課後児童デイ。

そりゃそういう事業所もあるんでしょうけど、もうちょっと暖かい目で見た方がいいんじゃないか、と思うので書いていきます。

 

障害者福祉は”遠い世界”

私の高校や大学の友人は普段は障害ある人との関わりがありません。

彼らと話していると『そうか。障害者福祉って遠い世界の話なんだな』と感じます。

 

例えば『成人の車椅子の人が3,4名で集まれて休日予約可のレストランってほとんどないよ』と言うと驚きます。

『作業所で働く人の給料は月1万円の場合だってある』と言うと『日本でそんなことがまかり通っているのか!?』とビックリです。

 

そもそも『特別支援ってなに?』というくらいのレベル。

 

実際特別支援学校の先生やヘルパーや福祉士になった人に経緯を聞けば『学校の実習で偶然知った』という場合は多いもの。

『授業で偶然知ったから入った』というものです。

 

話ずれますが、私は以前は支援学校で先生やっていました。

先生の中には『特別支援の方が肌に合う』と進路変更する人は結構いるものなのです。

 

『魅力はあるのに知られてない』ということでもったいないなぁと思うのですが。

photo by Rodney Martin

職業は身近な世界から選ぶもの

2世タレントや2世議員といった言葉があります。

これは親の人気や地盤を受け継いでいて有利だから子も同じ道を選ぶ、と言われていますが、それだけではないのです。

 

誰でも職業先は自分の知っている仕事、何となく想像できるものを優先的に選びます。

知っている職業の方が安心ですから。

 

親が芸能人の2世タレントからすれば芸能界が馴染みのある世界で会社員や公務員の方が遠い世界とも言えます。

 

もう一つ例を挙げるなら私は障害者スポーツでボッチャという球技の団体代表をしています。

2016年のリオパラリンピックのおかげで知名度があがったボッチャですが、それ以前は本当にマイナースポーツでした。

 

4,5年前にボッチャのボランティア募集の案内を大学の学生課に頼んだことがあります。

結果応募者0です。

 

学生課の担当の方曰く『学生にとって何をするか分からないから応募しづらいのかもしれません』と言われました。

 

例えば『障害者野球』『障害者サッカー』などメジャースポーツなら内容が予測出来るので参加しやすいのです。

ところがボッチャなんて聞き慣れない名前。

 

ボランティア募集の案内があって片方は野球で片方はボッチャであれば野球の方が選ばれます。

私でも知っている方を選ぶでしょう。

 

『野球に興味ない』『知らないスポーツを知りたい』という動機でもないとマイナーなボッチャは選ばれないものです。

 

割合からいっても障害者福祉の世界は人口が多いわけではありません。

ボランティアなら1日か2日の話ですが、一生の仕事としてあえて知らない障害者福祉の世界に入る人はどれだけいるのでしょうか。

 

放課後児童デイは未来への投資になる

私は特別支援学校で先生をやっていました。

その中で分かったのですが特別支援学校卒業後の進路先となる作業所を設立する先生が結構な数でいます。

多くは定年退職を迎えるにあたり第二の人生として始める先生もいますが、現役でありながら設立に携わる先生もいます。

 

理由はお金とかそういうのではなく単純に『子どもたちのためになるなら』といったもの。

 

このような流れは放課後児童デイでも起きるはずです。

 

『お金目当てが悪い』とは思いません。

なぜなら福祉の世界を知らない人間がいきなり『障害ある子どもたちのために』と考えて入ってきたならそれは不自然です。

 

『放課後児童デイは素人同然』

それはそうでしょう。誰でも最初は初心者です。

 

放課後デイは未来への投資になる

 

そんな意識でも持って接した方が結局は子どもたちのためになります。

『無欲で誠実で熱い気持ちを持つ人しかダメ』というハードルは理想ですが現実的ではありません。

 

それは自分自身を置いてもそうではないでしょうか。

あなたは『無欲で誠実で熱い気持ちを持っていますか?』ということです。