滋賀県草津市のイオンシネマにて『ローガン/LOGAN』を観てきました。
こちらR-15指定の映画。残虐なシーンが苦手な方は避けた方がいいでしょう。
内容的には超人的な能力を持つ主人公のローガンが少女ローラを命がけで守る物語です。
昔はヒーロー、今はタクシー運転手
過去のローガンは悪と戦うヒーローでしたが、今はタクシードライバーをしながらチャールズというかつての自分の師とともに暮らしてます。
ローガンは人との関わりを避けています。
ローラという少女は組織から追われる立場です。ただローガンは彼女が危機に陥っても助けようとしません。
物語中盤からローガン、チャールズ、ローラの三人で組織から逃げ国境を越えようと旅をします。
旅の途中でローガンが一人でいるときに、チャールズとローラは組織から襲われます。
ローガンはチャールズの心配はしますが、ローラを気にかけていません。
最終的にローラを助けますが「ついでに助けた」という格好です。
ローガンとローラは間接的にですが血縁関係にあります。
ローガンもそれを知っています。
旅は途中でチャールズと別れ、ローガンとローラは二人きりになります。
寂しさからかローラはローガンの手を握ろうとします。ただローガンはそれを拒否します。
過去の結果から行動できないローガン
ローガンは過去に「自分が愛した人間は不幸な結末になっていく」という経験をしていました。
周りの人間が彼を慕っても拒否し距離を置こうとするのはそれが原因でした。
ローガンはその過去をローラに話します。
ローラは「でも私は不幸にならない」と言います。
やがてローラは、ローガンとは別々に行動することになりました。
ローガンは距離を置きたがっていたので彼の望む事態です。ですが組織が彼女を追いかけているの目撃しました。
ローガンは初めて彼女を追いかけます。
そしてクライマックスを迎えるのですが、ローガンは最後に涙を流しました。
彼の師であったチャールズは「彼は死にたがっている」と評していました。
実際に作中のローガンの姿は常にイライラしている「不機嫌な中年男」です。
ただ物語最後のローガンの姿は違ったものになっています。
なぜこうなったのか。
それは彼は理屈を捨てたからだ、と私は感じました。
「過去の自分はこうだから」「お金をもらったから」「義理があるから」などの理屈を捨てて「ローラを助けよう」という感情で行動しました。
最初はお金で行動していたローガンも後半から執着しなくなる場面がありました。
これもローラに対する愛情が増してきたということでしょう。
その結果が最後の涙を流す、というシーンに繋がっています。
私自身もそうでしたが、過去の失敗や挫折は行動力を奪います。
理屈で自分を縛り付けようとします。それで傷つくことはなくなりますが、喜びもありません。
このローガンという映画15歳未満は禁止でグロテスクなシーンが多いもの。アクション中心の大味なものです。
家族で観るにはオススメできる作品ではありませんが、主人公ローガンの心の移りようは観るべきものがありました。