私は特別支援学校で先生をやっていました。
「先生にこんなこと言っていいのだろうか」と悩んでいる方に向けて書いていますが前提として。
苦情は言っていいですよ。
立場で言えば先生より保護者の方が上です。
先生にクビはありますが、保護者にクビはありません。保護者の訴えで懲罰や解雇もあるんです。
基本的に保護者の方が立場的には上なんです。
とはいえ、やりたい放題は自分に跳ね返ってきますし、それは子どものためになりません。
また敵を作らないに越したことはありません。
また苦情も表現の仕方によっては先生の方が感謝することもあるのです。
先生も人間です。
親切にしてくれた保護者さんや子どもには恩返ししたくなるもの。
こちらに落ち度はあるのに気遣いしてくれると逆に相手を信用したりもします。
というわけで過去に私が経験した&知人の先生にも聞いた「言われて逆に好きになっちゃったクレームの出し方」です。
最初に一文書いてある。
これ鉄板です。
苦情を書く最初の一行目に「いつもご指導ありがとうございます」など日ごろのお礼を書いてみてください。
読む側は「すみません、お気遣いありがとうございますー」という気持ちになりますし、冷静になって書かれているのが伝わります。
最初に一文あるだけで後の内容がソフトな印象を受けるんですよ。
「もうその先生が憎くて憎くてたまらない!」のなら別ですが、まだ仲良くやっていきたいなら苦情はソフトに出した方がいいですよ。
また相手の苦情が正論にもかかわらず、こちらにも気を使ってくれているのが伝わると「このお母さんなんて良い人なんだ!」と感動するのです。
私は過去これでファンになったことがありますから。
具体的に言ってくれる
連絡帳など書面ですが「不愉快です」「どういったことなのでしょうか」など抽象的な内容だと先生側は「??」となることがあります。
要望は何をどうしてほしいのかを具体的に言っていただけると再現しやすいので助かるのです。
結構あることなんですが、ガチガチに「こうしてください」「ああしてください」と細かく指示されるのを嫌がらない先生もいるんです。
どういった先生かというと「言われたことはきっちりやるタイプ」の先生です。
言い方悪いですけど「マニュアル人間」とも言えます。
考えるのって疲れるじゃないですか。だから言われた通りやるのが楽だし、性に合うようです。
先生といえどサラリーマンですし、真面目な人が多いので、むしろ「言われた通りにやるのが楽」という方が多いのかもしれません。
・・・さっきから「かもしれない」「ようです」と煮え切らない表現してますが、私はマニュアル通りにやるのが大の苦手なのです。だから気持ちが分からないのです。
周囲の意見を聞いていくと「言われた通りやるのは苦ではない」ようですよ。
ただ言いすぎない方がいいですよ。先生を委縮させると先生は何も考えなくなります。
そうなると逆に子どもに悪影響ですので。
「言うことをためらわなくていい」という意味での話です。
あとで「お礼の言葉」がある
苦情が通った後の話ですね。
要望通りに先生がやってくれたら「ありがとうございます」と不本意かもしれませんが書いてみてください。
これまた「お気遣いありがとうございますー」となります。
どんな先生でも「ありがとうございます」と言われて嫌な気はしませんしね。
ちなみにどんなことでもお礼は言葉で十分です。
たまに物をくれる方がいますが、今の学校ではルール的にグレーゾーンかアウトなので困ってしまうのです。
卒業式や1年の終わりにちょっとした記念品的なものをくれると非常に喜んだりします。
文句をまず自分に言ってくれる
時折、なぜか苦情を本人に言わず他の先生や教頭・校長先生に言う保護者の方がいます。
これはおススメいたしません。周り回っての苦情を聞いた方はかなりのショックです。
また教頭・校長先生は管理職といって先生を管理する上司の立場です。
苦情をいきなり上司に言うのは、お店で「店長呼べ!店長!」というようなものです。
苦情はまず店員に言うじゃないですか。埒があかなかったら次に店長ですよね
これと同じで苦情はまずその先生に直接言うのが順序です。
他の先生に愚痴をこぼすのも、周り回って本人の耳に入りやすいのでやめておいた方がいいですよ。
まずはその先生からです。
その次に上司や周りの先生に言っていくのが順番となります。
2,3年やれば何かしら苦情は受けるもので・・・
モンスターペアレントという言葉もあるように、とんでもない苦情を言われることもあります。
「先生やってて苦情もらったことない」という人はまぁいません。
やり方によっては言った後に先生の心を掴むこともあります。
言いたいことは言ってくださいね。大丈夫ですから。