20歳になってから。でなく

障害基礎年金の手続きはまだまだ先の話

療育手帳あるし年金もスムーズにもらえるだろう

 

とお考えの方は読んでおいて損はありません。

障害基礎年金を受け取る上でやっておくべきこと幼少時からあります。

 

「え?誰もそんなこと教えてくれないんだけど??」

 

と思われると思います。

学校にいる期間は学校がある程度サポートしてくれますが、障害基礎年金は20歳の話。

学校のサポート外ですし、実際の現場でも年金受給の際に困っている話を聞きます。

 

私は社会人の成人後の障害ある方々ともお付き合いがあって色々聞いていますが

 

障害基礎年金の手続き結構めんどくさいですよ

 

20歳の誕生日が近くなるとドサッと書類が送られてくるはずです。

 

子ども時代の記録を書く欄があったりするのですが、20歳の時点で1歳や2歳のときのことを思い出さなくてはならないわけです。

 

19年前の記憶なので多くの保護者の方は思い出せず困ってしまいます。

中には記入不足を理由に書き直しを要求される場合もあります。

 

”転ばぬ先の杖”ということでぜひご一読を。

 

通院の記録は残して

基礎年金の書類には「病歴・就労状況等申立書」というものがあります。

 

就労の部分はすぐ書けるかと思います。

 

問題は病歴です。「発病したときから現在までの経過」を書く欄があります。

先天性の場合は「産まれてから現在までの経過」つまりは20年間の歴史となるわけです。

 

覚えているわけがありません。

 

というわけで幼少期から記録をとっておいた方がいいことをまとめてみました。

 

・「出生時から初診までの状況」

・障害に関する初診を受けた病院

・出生時からその初診を受けるまでの期間

・当時の状況

 

の3つを今からノートやパソコンでも何でも構わないので記録しておいてください。

 

例えば平成20年9月30日生まれのお子さんであれば

「○○総合病院受診」

「平成20年4月1日~平成20年9月15日」※日にちまでは求められず”9月ごろ”でも良いようです。

「首のすわりが遅く○○病院を受診。脳機能に障害がみられ脳性麻痺と診断される」

 

という具合になります。

 

・治療の経過

初診以降にも通院の記録は必要となります。

 

基本的には「出生時から初診までの状況」と同じです。

 

障害に関する

通院先(療育含む)

通院した期間

当時の状況

を記録しておいてください。

 

3年から5年の期間ごとに記入するので出生時から保育園、保育園から小学校入学まで、小学校低学年、高学年、中学校、高校となっていきます。

 

・病院が変わった場合は?

こちらも記入する必要があります。病院名と通院期間、当時の状況となります。

 

・先輩お母さんからのアドバイス

あるあるネタに近いですが障害基礎年金の書類手続きをしたお母さんからのアドバイスです。

「ノートに記入したけどどこにしまったか分からない」とならないように注意して、とのことです。

 

というのも、幼少期はまだしも小学校以降となると記入する回数が減ることが多いのです。

1,2歳の記録も、実際に提出するのは20歳の誕生日前となります。

「書いたけど見つからない」ってなるそうです。

 

医師の診断書

普段、町のお医者さんしか通っていない方はご注意です。

20歳の申請時には先ほどの病歴とは別に医師による診断書が必要となります。

 

困ったことに「病院に行けば書いてくれるんでしょ?」という簡単なものでもないのです。

 

書く医師は誰でも良いわけではなく診断書の記入に慣れているお医者さんに頼んだ方が良いのです。

 

なぜかというと診断書の目的は「働いての収入を得ることが出来ません」と証明するためにあるからです。

障害への理解のないお医者さんだと「この人は働けます」と診断書に書かれてしまう場合があります。

そうなると本末転倒になっちゃいますよね。「働けないって書いてください」とも頼めないでしょうし。

 

発達障害など目に見えない障害をお持ちならなおさら、と思うところです。

 

今までの通院歴なく急に来て「診断書ください」といってもすぐには書けません。

障害の有無を診断するのではなく「働けないのか」を診断するので医師は細かく診る必要があります。

よってすぐには診断書を提出できないのです。

 

診断書の書き方にもコツがあります。

年金申請の趣旨を理解している書きなれているお医者さんがいいのです。

 

書きなれているお医者さんは町医者ではなく、大きな病院にいます。

普段風邪などちょっとした病気では近所のお医者さんに行かれること多いかもしれませんが、あえて大病院にも行っておいてください。

子どもを見てもらい「年金申請の診断書お願いできますか?」と事前に聞いておくと20歳前の検診がスムーズにいきます。

 

78万~97万円の差

特別児童扶養手当、障害児福祉手当などは受給されている方は成人以降はこの障害者基礎年金が収入になります。

年金に加えて作業所などのお給料が収入となりますが、軽度の知的障害ある人が多いA型作業所では月5~7万円が一般的です。

中程度、重度のB型、生活介護の作業所となると1~2万円となります。

 

基礎年金の額は78万~97万円。月にすると6万円~8万円の収入となります。

 

療育手帳(愛の手帳)の取得もそうですが「必要ない」と思っていても将来に渡ってみれば制度が子どもを守ってくれることもあります。

 

学校の先生が言うことですが「療育手帳や年金はお守りみたいなものなんです」と説明します。

 

制度は上手に活用してくださいね。

記録をとっておけば「申請するかしないか」を選ぶことも出来ますから。