作業所をもっと知ろう

大量に余ったゴミ袋から。障害者作業所の勘違い。問題は”公務員体質”かもしれない。

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先日、朝のワイドショーで『自治体のゴミ袋が大量に余って困っている』という話題が取り上げられていました。

その分量が凄くて30年分です。

倉庫に大量のゴミ袋が余って、「ゴミ袋自体がゴミ化している」という何だかよく分からない状況という話題でした。

 

一般的な感覚として「ゴミ袋なんて1,2年分の在庫があれば十分なんじゃないの??」と思うところでしょう。

 

緊急時の食料品の備蓄じゃないんですから。

ビニール袋なくなればまた発注すればいいはず。

 

せめて2,3年分でしょう。

30年分はさすがにぶっ飛んでます。

 

余っている在庫は40ℓのゴミ袋が大量にあるのだそうです。

40ℓは50円で販売しているのですが、これが売れずに困っているのだとか。

 

なぜ40ℓは売れないのか。

 

それは「45ℓのゴミ袋」も同じ50円で販売しているから。

 

45ℓも40ℓも同じ50円なのです。

当然大きい方が売れていき、40ℓは余ります。

 

『なんだそりゃ』とズッコケてしまいそうな話ですが、問題はその他にも山積みでした。

 

このゴミ袋問題に対して自治体としては「価格を変えます」と言うことで対応していました。

 

ただ問題はゴミ袋の価格ではなく、もっと根深いもの。

「公務員体質」が一番の問題点です。

 

この体質とは「結果に責任をもたない」ということです。

 

30年分ゴミ袋をストックさせても、その責任はあいまいです。

職員に処分が下るなどは基本ありません。

 

これが企業なら倒産につながるところです。

ですが自治体など税金で運営されている場合は倒産はないのです。

 

よって問題は問題としても認識されず同じことが繰り返されます。

photo by Marcin Bajer

 

とある障害者作業所の工賃単価

私は以前は特別支援学校で先生をやっていました。

 

支援学校では職場実習ということで生徒と一緒に多くの作業所へ実習へ行きます。

 

朝から晩まで作業所内に入って生徒と一緒に仕事をします。

お昼ご飯も一緒に食べたりして、それが3日間続きます。

 

そうやっていくうちに職員さんとも仲良くなれます。

私は仲良くなると調子にのり「作業単価いくらですか?」「一日何個作れるんですか?」などさりげなく質問していました。

 

子どもに関係ないこと聞いている時点で「あ、やっちゃダメだったかな」と今思いましたが、まぁそれは置いといて(笑)

 

聞くと一個あたり0.1円やそれ以下の場合もあります。

作れる個数は100~150個ほど。

ベテランになって200個くらいだそうです。

 

1個0.1円が100個だと一日10円です。

熟練になって二倍の作業量になったとしても20円。

 

んー安いですね。

 

多くの人が問題視している事実です。

 

障害者作業所における収入の低さや作業内容の問題です。

 

この問題に「障害者作業所だから」「障害者だから」という部分にフォーカスを当てる人が多いように思います。

 

ただ認識としてはちょっと違います。

「出来ることが限られている」という部分を問題視するのではなく、もっと作業所全体の構造に目を向けるべきです。

 

ゴミ袋の問題と同じと考えてください。

 

ゴミ袋問題の本質を私はこう説明しました。

 

「45ℓのゴミ袋と40ℓのゴミ袋が同じ値段で売られている」のが問題ではない。

もっと根にある公務員体質が問題である。

 

これを言い換えると

 

ゴミ袋の値段を変えたら解決ではないんです。公務員体質を変えないと同じような問題はまた起きますよ。

ということです。

 

障害者作業所も同じです。

障害者作業所も”公務員体質”に陥りやすいのです。

 

障害者作業所の勘違い

ゴミ袋が余った自治体の話のように結果に責任を負わない場合、仕事は形式的になります。

「前任者がそうしていたから」といった理由で、同じことを繰り返すのです。

 

障害者作業所でも同様。

工賃が1日20円で利用者に不満があっても「責任」はないのです。

 

そして作業所は利用者が通うことにより、自治体からお金が入ります。

また、今は作業所の数が足りていない状況ですから、利用者が出ていく可能性も低いのです。

 

要は公務員と同じなのです。

結果に責任を負わなくても給料はもらえる、ということです。

 

また作業所は「トップの交代」というのがあまりありません。

 

「同じ人がずっとトップ経営者に居続ける」

 

これは企業でも自治体であってもありえない状況です。

ありえない理由を説明しますと、・・んー、表現悪くてすみません。

 

「トップは腐りやすいから」です。

 

これはトップに立つ人が悪いとか言うのではなく仕組みの問題です。

私が経営のトップに立ってもいつかは腐るかもしれませんから。

 

もちろん企業で同じ人がトップに立ち続けても結果を出し続ける場合もあります。

作業所も同様に、全く腐らずに尖り続けている経営者がいることも知っています。

 

ただトップは腐りやすいのです。歴史的にみても高確率で腐ります。

だからどんな団体でもトップは必ず交代する仕組みになっています。

 

「結果に責任をもたない」「トップが変わりにくい」

これが構造的な問題です。

 

いわば作業所の問題は「出来ることが限られているから」ではないんです。

 

そこは工夫次第で解決出来るんです。

なぜなら重度の知的、身体障害ある人が通う作業所でも内容の工夫によって利益が上がったところがあるからです。

 

具体的に言えばとある作業所では「商品の製造」に特化しました。

今までは製造と販売をしていたのですが「製造」だけにしたのです。

 

製造のみにすることで商品の質が上がります。

質を上げて、一般の市場で販売することが出来るようになり、結果として利益は改善されました。

 

今までは製造も販売も一緒にしていて、福祉関係者だけに販売してたんです。

なので販売を切って、製造だけに特化。スーパーなどに卸すことによって問題を解決しました。

 

方法はあります。でもやらないし探そうとしません。

それは何故かというと公務員体質なんです。

結果に対して責任を負う仕組みがないから。またトップも代わりにくく同じことが繰り返されやすいからです。

 

例えば、製造に特化した作業所でも、またいつか”公務員体質”が問題になるでしょう。

人は変化を恐れ、同じことを繰り返したがるからです。

 

これから作業所を設立していく方へ

今回の話「作業所はダメだ!」という話ではないんです。

障害者作業所に関しての認識を変えてほしいと願っています。

 

「作業所は『出来ることが少ない』が問題ではなく公務員体質が問題」という認識です。

 

現在、障害者作業所はその数が足りないことが全国的に問題になっています。

ということは新たに作業所の設立が生まれてくるでしょう。

 

その際に『出来ることが少ない』という障害の部分を問題視しないでほしいのです。

そこは工夫出来ます。また世の中の情勢といったものも大した問題ではありません。

 

問題は「結果に責任を負わない」という公務員体質です。

そこを初めのうちに仕組みとして整えておかないと後から変更するのは非常に困難です。

 

それは既存の作業所の多くが変化出来ずに同じことを繰り返していることに証明されています。

 

『トップの任期は5年』

『3年に1度は外部から評価を受ける』

 

などの仕組みを最初から設定するといいでしょう。

 

しつこいですが作業内容は後からでも変更出来ます。

 

ゴミ袋の値段が問題なら値段を変えればいい、と同じです。

 

ただ「ゴミ袋の値段が問題なんじゃないか」「値段を変えよう!」という発想が行動が出てこないのです。

それはなぜかというと公務員体質によるもの。

 

作業所も同じ。

 

作業内容の工夫によって利益率は改善出来ます。

 

ただ「作業内容が問題なんじゃないか」「内容を変えよう!」という発想と行動が出てこないのです。

それは作業所が公務員体質に陥りやすいからです。

 

公務員体質にならないようにするには、最初の設計段階から仕組みを作るのが一番です。

あとから改革しようとすると必ず抵抗する人が出てきます。

 

だから新規で作業所をやろうとする人が抑えておくべきポイントなんです。

 

・・・と同じ内容を繰り返しちゃいましたが、そういうことです(笑)

dai

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